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    風早草子

    風早草子
    カザハヤソウシ

    終わりつつある嵐、そして前夜

    夜、帰ってきたら駐輪場から月が見えた。

    久しぶりに昨日、今日と電車に乗り、体がひどく疲れていることを実感している。超人とかスーパーマンとか、さまざまな尊称も後輩からいただいてきた私だけど、今回はそれなりにボロボロだ。みぞおち痛で悶絶したり、皮膚の炎症が出たり、腰を痛めたり。ただそれでもプロジェクト後半、冷え気味の本部で咳がひどくて苦しんでいるメンバーが多かった中で、私は今回もそういう部分は全く平気だった。まあでもプロジェクトルームのコントロールがうまく効かない空調など、環境問題は今回も課題を残している。

    まだ終わったわけではないので油断は禁物だけど、業務の嵐のピークは過ぎつつある。今回、あまりに多くの新スキームを一気に導入したため、細かな問題は想定外も含めて起きているけど、コントロールできている。「やっぱり新しい方法は危険だ」などという抵抗勢力、チャレンジアレルギー主義者が息を吹き返さないように目は光らせている。でも、去年の秋のように一か八かの賭けに出て、最後は私と山口から来ている先輩と2人の「超人力」で何とか辻褄を合わせたのに比べれば、今回は順調で、私も後遺症が出そうなほどの火事場の馬鹿力は使っていない。

    そして明日は次男の神奈川大会一回戦。休んで応援に行くためにさまざまな手配は済ませてある。さてどんな戦いが繰り広げられるのか?

    トーナメント一発勝負の高校野球、夏の大会は怖くてスリリングだ。あとなき戦いでどのチームも必死だから何が起こるかわからない。猛暑だし。

    長男の時は初戦の緊張で守備はボロボロ。後半逆転されて明らかな劣勢で負ける流れだった。でも8回に出た長男のホームランで雰囲気が変わった。それでも9回表の攻撃に入った時点で4点のビハインドで、普通なら負ける流れだった。でも一番からの攻撃で、私の近くで見ていたOBたちが、「ランナーためて、5番のあいつ(長男)に回ったらワンチャンある!」と言っていた。きっとチームも雰囲気もそうだっただろう。そして相手チームは先発のエースがもう痙攣症状が出てマウンドを降りていた。そして果たしてヒットと四死球で一死満塁で前の打席大会第一号のホームランを打ち、ここまで3安打の長男。球場が異様な雰囲気になっていた。結局長男は四球で押し出し。そこから相手が受け身になって浮き足だって一気に逆転してしまった。ただ、こちらにとっては奇跡だけど、相手にとっては悲劇だ。しかも最終回、相手のマウンドに立っていたのは、長男の中学時代のチームメートで、私もご両親はよく知っている。双眼鏡で見るとスタンドで応援している姿も見えていた。

    でも野球の神様は残酷で、高校野球の地方予選では奇跡を大安売りする。甲子園を目指すようなチームでなくても皆、一勝に賭けて死に物狂いだ。さてどんなことが起きるのか?よく見守りたい。

    書き手

    海秋紗

    海秋紗

    神奈川県葉山町/57歳

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