お便りフォーム

    お名前(ニックネーム)*

    Eメール*

    宛先*

    メッセージ*

    未分類

    未分類

    三面六臂

    腹筋台から見上げた2月14日朝の空。もう2月はこれで半分。短いぞ。

    三面六臂より八面六臂の方が言葉としてはポピュラーなのかな?しかし個人的には三面六臂に親近感。子どもの頃から愛読していた西遊記で孫悟空が戦う時によく三面六臂の姿に変化する。文字通り顔が3つ、腕が6本。まあ顔が3つになれば腕も6本が辻褄が合う。阿修羅像と同じような感じ。孫悟空の場合、如意棒も3本に増えるから戦闘力は3倍に上がりそう。八面六臂はトランスフォームとしてバランス悪いだろ!

    今の私には超羨ましい能力なので最近、この三面六臂というワードが頭に浮かんでくるわけだ。(笑)

    で、気分転換に西遊記を引っ張り出す。パラパラめくると、つい面白くて読んでしまう。だいたい話のパターンは同じなんだけど、翻訳が良いのかもしれないが、悟空たちの会話が軽妙で楽しい。しかし三蔵法師、毎度八戒の口車に乗せられ過ぎ。(笑)そしてだいたいトラブルの原因だったりする。三蔵の従者になってからは、悟空が意外と真面目、というか一行の中で一番常識的だったりする。まあだから振り回される主人公として物語が転がるのだけど。

    この本、そして挿絵が味わいがあって好き。ちなみにこの悟空の三面六臂姿は、まだ三蔵の弟子になる前、天帝に背き征伐に遣わされた哪吒太子と戦った時の挿絵。だからまだ虎の袴の行者姿ではない。

    この西遊記、悟空の物語から離れて、三蔵が経を取りに行くことになる経緯に至る唐の太宗皇帝の章がある。ここも伝奇的で面白いのだけど、太宗が裁判にかけられるために閻王に冥土に召喚されると、冥土に彼の兄の建成と弟の元吉がいて、「世民がきた、世民がきた」(太宗の名前は李世民)と言って襲いかかって来る場面がある。彼は太子の時のこの二人の兄弟を殺して、唐の二代皇帝になったのだけど、妙なところでディテールが丁寧で生々しくて面白い。

     

    書き手

    海秋紗

    海秋紗

    神奈川県葉山町/57歳

    ©30YEARS ARCADE