「やさしい気持ちさんでておいで」Yちゃん(4さい)
アルキメデスは浴槽から溢れる水を見て「ユリイカ!」と叫んだ。私たちは日々見聞きする言葉に触れては「エフェメラ!」と叫ぶと...
エフェメラ!
エフェメラ!
2025年8月11日
アルキメデスは浴槽から溢れる水を見て「ユリイカ!」と叫んだ。私たちは日々見聞きする言葉に触れては「エフェメラ!」と叫ぶともなしに記録しようと思う。言葉は儚いものであるからこそ、今このときを確実に残してくれるから。
「戦後は飯田と大岡山、国立で療養する」
「関口良雄略歴」(『昔日の客』)
出不精なので、仕事でもないかぎり基本的に家にいる。出かけるときは、なにか光るものが二、三は浮かばないと気が乗らない。どうでもいい話だけど、ある編集者が雑誌の作り方について似たようなことを言っていた。「雑誌を立ち読みして、気になるページが3つ以上あれば、買ってもらえる確率はどんと上がる」。そういうものかもしれない。
吉祥寺の「ブックスルーエ」で開催している「夏葉社15周年フェア」が気になっていた。そんなときにツイッターで、吉祥寺の古本屋『百年』が20%オフセールをやっているという情報を目にした(こちらは19周年記念セール。吉祥寺は磐石の本の街だ)。久しぶりで西荻窪の立ち飲み屋に行けば、「光るもの3点セット」の一丁上がり。というわけで、昨日、吉祥寺へ。
「夏葉社フェア」では、買う本を決めていた。その本『昔日の客』はかつて東京・大森にあった古本屋『山王書房』の店主・関口良雄による随筆集だ。大森といえば、室生犀星をはじめとする文人が集った馬込文士村。関東大震災後に集まっているという点で、荻窪の風土(井伏鱒二を筆頭に、ね)に近しいものを感じる。
そして、関口良雄だが、『昔日の客』の彼の「略歴」のなかに意外な二文字を発見した(本を手に取るときには、「目次」「あとがき」はもちろん、巻末付録的な「略歴」などもまずはじめに目を通すことにしている)。彼は戦後の一時期、国立に暮らしたという。僕がいままさに暮らしている国立に、かつて関口良雄がいた。それだけで『昔日の客』がより大切な1冊になった。(011)
エフェメラ/「一日だけの、短命な」を意味するギリシャ語「ephemera」。転じて、チラシやポスターなど一時的な情報伝達のために作成される紙ものなどを指す。短命だからこそ、時代を映すとされ、収集の対象になっている。
アルキメデスは浴槽から溢れる水を見て「ユリイカ!」と叫んだ。私たちは日々見聞きする言葉に触れては「エフェメラ!」と叫ぶと...
アルキメデスは浴槽から溢れる水を見て「ユリイカ!」と叫んだ。私たちは日々見聞きする言葉に触れては「エフェメラ!」と叫ぶと...
アルキメデスは浴槽から溢れる水を見て「ユリイカ!」と叫んだ。私たちは日々見聞きする言葉に触れては「エフェメラ!」と叫ぶと...