「階級は特権です。豊かな暮らしを。」映画『私たちが光と想うすべて』内の看板より
アルキメデスは浴槽から溢れる水を見て「ユリイカ!」と叫んだ。私たちは日々見聞きする言葉に触れては「エフェメラ!」と叫ぶと...
エフェメラ!
エフェメラ!
2025年8月25日
アルキメデスは浴槽から溢れる水を見て「ユリイカ!」と叫んだ。私たちは日々見聞きする言葉に触れては「エフェメラ!」と叫ぶともなしに記録しようと思う。言葉は儚いものであるからこそ、今このときを確実に残してくれるから。
「これからは通常営業ですから」
中華料理店スタッフ
アルバイトしている書店の裏通りに、馴染みの中華料理店がある。7、8年ほど前に書店の店長に連れて行ってもらったのが最初で、5年ほど前から毎週1度、つまり出勤のたびにそこで休憩時間を過ごしている。顔を覚えてもらえたようで、ここ2年ほどは毎度、少しサービスをしてもらえるようになった。
そんなお決まりの店に、この夏、変化が起きた。アルバイトの休憩に入り、いつもの通り裏通りを行くと店が閉まっている。その押しボタン式の自動ドアの扉には「ガス工事が終わり次第営業します」という貼り紙が。以来、この貼り紙を横目に通り過ぎて、スーパーの弁当、ラーメン、ファストフードを食べてきた。つまりほとんど3週間も休業していた。「このままなくなってしまうのでは……」と気を揉んでいたけれど、昨日、ついに店が開いていた。
スタッフの人に工事について少し聞いてみたい気もしたけれど、14時過ぎのぼちぼち忙しい時間帯なので、黙々と日替わりの麺を啜った。帰り際、お会計のときに「これからは通常営業ですから」とひと言もらう。「お店どうなっちゃうんだろう、ってちょっと心配だったんですよ」と言いかけて、やはりやめて、いつも通り「ありがとうございました」と店を出た。(025)
エフェメラ/「一日だけの、短命な」を意味するギリシャ語「ephemera」。転じて、チラシやポスターなど一時的な情報伝達のために作成される紙ものなどを指す。短命だからこそ、時代を映すとされ、収集の対象になっている。
アルキメデスは浴槽から溢れる水を見て「ユリイカ!」と叫んだ。私たちは日々見聞きする言葉に触れては「エフェメラ!」と叫ぶと...
アルキメデスは浴槽から溢れる水を見て「ユリイカ!」と叫んだ。私たちは日々見聞きする言葉に触れては「エフェメラ!」と叫ぶと...
アルキメデスは浴槽から溢れる水を見て「ユリイカ!」と叫んだ。私たちは日々見聞きする言葉に触れては「エフェメラ!」と叫ぶと...