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    島縞

    島縞
    シマシマ

    メダカも仲睦まじい関係が築けるらしい衝撃

    正直、メダカはもういいんだけれど…
    水槽も何もかも処分してしまったし。そんな消極的な気持ちで、ただただ娘の同級生の男の子の気持ちを無下にしたくなくて連れて帰ってきたメダカだった。

     

    ただ、このメダカたち。
    以前わが家にやってきた、「きんちゃん」「ぎょっちゃん」とは何かが違う。同じ魚なんだけれども、魚な感じがしないというか。

    まず、仲が良いらしいのだ。同じ水槽で生まれ育ったきょうだいなのだろうか。相手をしっかり意識している素振りをみせる。広い水の中、それぞれに浮遊していればいいのに、どういうわけかいつも並んで佇んでいる。ときに「あかちゃん」が「くろちゃん」にちょっかいを出していることもある。メダカって、こんなにじゃれ合うものなの?

    そんな様子をみていたら、なんとも愛着が湧いてくる。
    どうせ長生きしないんでしょ、なんてまだメダカのご飯を買ってあげてなかったものだから、慌てて代用となるものを調べた。かつお節を細かくすりつぶしたものが、一番メダカの餌に似ていて代用できるらしい。そうか、共食いか。なんて悲惨なことをつい思ってしまったのだけれども、おなかを空かせてみるみるやせ細って、前いたメダカたちよりもっと短命だったら嫌だと思った。こんな風にじゃれ合うような、可愛げのある子たちを無視するようなことがあってはならない。

    冷蔵庫にひとつだけ残っていたかつお節パックを開けて、すりこ木を使って粉状にして水に浮かべた。
    最初、全く反応がなくてやっぱりこんなんじゃダメか、って思っていたら急に激しく動き出し、そしてずっと底にへばりつくように黙っていたのに、水面へと登ってきたではないか!

    その小さな口をパクパクさせて、食べた!
    やった〜!娘よりも私が喜んだ。なるだけ早く、メダカの餌を手に入れなければ。

     

    ところで、今日はメダカな一日だったわけではない。
    昨日は仕事の合間に本を読んで満たされて、今日は本を読まなくても仕事だけで満たされていたけれど、その違いはなんだろうか、と考えていた。

    しかも、今日は仕事の合間に焼いたパンが娘に大好評で、やっとパンを焼く目的が達成できた記念すべき日だったのに(初めて全粒粉、レーズン、くるみを混ぜ込んでみた)。

    でも、ここを開いた瞬間書き始めたのはメダカのことだった。
    よっぽど、この仲睦まじいメダカたちのことが気になってしまっているのだろう。

     

    今日の夕方の空だって、それはそれは感動しちゃって、ふたりできれいねって眺めてスマホを構えたのだった。

    今の月もすごく明るくて、カーテンの隙間から差し込む光の強さにびっくりした娘が、私を呼んで「きれいね」って一緒に月をめでたりしたのだ。

    さて、一度投稿して修正をしているちょうどこの時、読んでいるnoteの書き手さんからコメントの返信をいただいて、女性と思っていたその方がどうやら男性だという、今日イチの驚きが最後の最後にやってきた。

     

    総じて、今日は心を動かされるもののオンパレードな一日だった。

    書き手

    ひらのあすみ

    ひらのあすみ

    長崎県五島市/43歳

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