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    エフェメラ!

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    「傷ついてきたことが幸せだったとは思わないけれど、でも、走り抜けた自分の体と自分の人生に愛着はある。」最果タヒ『きみを愛ちゃん』販促シール

    アルキメデスは浴槽から溢れる水を見て「ユリイカ!」と叫んだ。私たちは日々見聞きする言葉に触れては「エフェメラ!」と叫ぶともなしに記録しようと思う。言葉は儚いものであるからこそ、今このときを確実に残してくれるから。

     

     


     

    「傷ついてきたことが幸せだったとは思わないけれど、でも、走り抜けた自分の体と自分の人生に愛着はある。」
    最果タヒ『きみを愛ちゃん』販促シール

     


     

     

     

    東中野で取材だから、仕事終わりにご飯でもいこうよと迎が言うもんだから、フル集中で仕事を終わらせて向かう。
    とりあえず中野に着いたはいいが、どうやらわたしのほうが先に着いてしまったので、そういうことなら、と本屋に。やっぱりこういうときは本屋だよな~、と思いながら店内をぶらぶら。久しぶりに来た中野のブックファーストは、なんだかすごく苦手な本屋になっていた。わりと大きめの店舗なのだが、本を探すときの高揚感がない。本屋が“生きている”空気が感じられなかったな…。本屋の良さは如実に書棚に出ちゃうな、などと思っていたら、「ブックファーストの1F、エスカレーターあたりにいる。」と迎からのLINE。慌てておりると、これ見た~?と渡されたのが、最果タヒ『きみを愛ちゃん』の販促用シール。まったく気づいていなかった。だってすごくわかりにくいところにあったんだよ。エフェメラー(=エフェメラを集めし者たち)として失格の烙印をおされてしまった。くやしい。これをTAKE FREEで配ってくれるなんて、集英社も太っ腹なもんだ。でも、せっかくつくったシールもこうやって雑にポーンと置かれている姿をみると、なんだか悲しいものである。

    最果タヒといえば、2020年12月に渋谷パルコでやっていた最果タヒ展『われわれはこの距離を守るべく生まれた、夜のために在る6等星なのです。』がとてもよかったので、最後に写真を。最果タヒの詩の世界がグラフィックデザイナー・佐々木俊によってつくりあげられていて、詩が形をもって訴えかけてくるような場所だった。どうでもいいが、「最果タヒ」ってなんかフルネームで言いたくなるよね。(028)

     

     

     

     

    エフェメラ/「一日だけの、短命な」を意味するギリシャ語「ephemera」。転じて、チラシやポスターなど一時的な情報伝達のために作成される紙ものなどを指す。短命だからこそ、時代を映すとされ、収集の対象になっている。

    書き手

    ほしばあさみ

    ほしばあさみ

    東京都国立市/42歳

    ©30YEARS ARCADE