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    Sophy's philosophy

    Sophy's philosophy
    ソフィーズフィロソフィ

    reading a timeless essay on the shores

    コモ湖に戻り、湖畔で昼から夕方まで本を読む。ソフィはプールに入ってクルクル回転したり。泳ぐというより、ずっと動いている。水のなかでも、陸でも多動な感じは変わらない。

    いま読んでる本は、向田邦子の「父の詫び状」

    彼女の第一エッセイ集で、昭和史が盛りだくさん。絵に描いたような頑固親父とのエピソードから、彼女の生活のさまざまな部分が切り取られる。

    1981年第一刷というから、わたしが2歳くらいのときの本だけど、小学生だった頃に家族8人、お爺ちゃんとお婆ちゃんと、叔母さんと、みんなで住んでいた大所帯を自分の歴史として思い出す。

    昭和の終わり頃だ。なんだかんだ言って、まだまだ人同士がうざったらしいくらいに混じり合って、人情味を感じる時代だった気がする。

    当時まだ10歳にも満たない自分は、どことなく、それを感じていたんだろう。表現すらできないけど、きっと人肌の温もりと同時にいろんな世代が小さい範囲で混ざり合うことから起きる所在の無いめんどくささを感じていた。

    確かこの本は、誰かが好きな本として挙げていた。最近のわたしは、どこかで誰かがオススメしていた本を古本ネット屋でポチる。前はKindleでダウンロードしてすぐに読む手軽さを享受してたけど、どうも紙じゃないと読みきれない。読み切ってる、読了した、って言う感覚が欲しくて、やはり紙だと思った。

    というわけで、年に一回の一時帰国で重い紙の本を持って帰ってくる。特に最新版を読みたいわけでもなく、さらには、昔にどこかの誰かが読んだか、読み切ったか、途中でやめたか、それは分からないけど、その連鎖が面白いと思うのだ。イタリアで読むわたしに繋がる、日本語の連鎖。

    わたしに繋がったこの「父の詫び状」は、1985年の第16刷。薄茶に染まった紙がとても優しい。ちょうどわたしが昭和に6歳くらいをしていた頃の本。誰かの本棚で、40年間置かれていたんだろうか。

    いま借りてるアパートから見える景色。水面が見えると涼しく感じる。今日も最高気温が32度の予測。クーラーなしでギリギリ過ごせる温度かな。借りてるアパートには扇風機も無くて汗をジワリとかきながら過ごしている…

    今週、ヨーロッパ各地では38-40度の熱波警報が出ている。クーラーが無い家が多いからだろうか。日本の酷暑と大雨も心配。

    PSさん、クールという地名は存じないのですが、いま拠点にしているのは Bellano ベッラーノという街です。コモ湖の真ん中あたり、東側です。コモ湖は世界中からツーリストが集まるリゾートなのですが、ぜひ一度いらしてください。お気に入りの橋がどこかに見つかるかも⁈

    書き手

    sophy

    sophy

    イタリア・ベルガモ/46歳

    ©30YEARS ARCADE