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    風早草子

    風早草子
    カザハヤソウシ

    次男のグラブ


    兄がインフルから回復したので、次男がグラブを買いに行く。この時期なので実家大掃除兼になり、私と双子も一緒に行くことになった。

    兄の大学生の息子と孫四馬力で窓を拭いたり、エアコンフィルター掃除したりゴミを出したり。兄と私で書類整理や買い出し。墓参りも済ませて、実家は一件落着。

    昼食を済ませて、兄の案内でお茶の水のメーカー専門店へ。初めて行ったが、すごく大きい。野球用品売り場はそれっぽいお客さんでいっぱい。プロ野球選手のサインも壁などに多数。野球男子が4人いる我が家。はっきり言ってメーカー社員の兄の存在に超助けられている。

    さて肝心の次男のグラブ選び。

    天才肌の次男、バッティングは好きだが、実は守備が嫌い。そして道具へのこだわりとか蘊蓄もない。長男は道具の手入れとか好きで、それなりにこだわりがあるタイプだったが、次男は対照的にそういう興味が全くない。なので、せっかくこういう店に来たものの、目を輝かせて選んだり迷ったり、ということもない。

    グラブ新調の理由は現在使っているのが、長男のお下がりでもうボロボロのため。器用な次男は、基本どこでも守れる。小学生の時からあらゆるポジションをやらされて、どこでもしっかり守ってきた。キャッチャーの子が休むと真っ先に指名されてマスクを被らされていた。つまり守備もとてもうまいのだが、嫌い。なるべく球が飛んでこなくて、楽なポジションをやりたいと思っている。(書いていて、なんてやつだ、と思うが)だから守備機会が多くて、エラーや悪送球のリスクが多いサードやショートは本当はやりたくないそうな。でもだいたいチームのメンバーの技量の問題で、結局、そういうポジションをやらされることになる。

    実は今の新チームスタート当初は、ファーストに収まっていた。ショートバウンドとか、野手からの送球を捕球するのが抜群にうまいらしく、「ポジションは安泰だ」と得意気に笑っていた。ファーストは、バントシフトとか、色々覚えたり考えたりすることが多い意外と大変なポジションなのだが、彼的にはサードほど強い打球が多く来ないし、悪送球の心配も少ないので、ずっと楽だと思っているらしい。ちなみにファーストミットとキャッチャーミットは、特殊なのでチーム共用のものがあり、個人で買わなくてもいい。

    しかし残念ながら彼の思惑はあっけなく外れた。一年生の中で、打撃で頭角を現してきた選手が左投げ左打ち。そして足はあまり速くない。打撃が弱いチーム事情からスタメンに入れたいのだが、守れるポジションがファーストしかない。というわけで、彼はせっかく手に入れた楽なファーストを奪われて、ホットコーナーのサードへ回らざるを得なくなった。笑

    ということで、仕方なくボロくなったグラブを新調することにしたわけである。硬式野球用のグラブはなかなか高価なもので、兄の社員割引でもそれなりのお値段。買うのは次男だが、まあ少しは補助してやる。もう覚悟を決めてしっかりサードを練習するしかないぞ。笑

    さて四番サード君。来年、勝負の3年夏はどうなるでしょう?

    書き手

    海秋紗

    海秋紗

    神奈川県葉山町/57歳

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