虹
三連休中日。 雨が断続的に降り、風も強い。 娘、妻、次男をそれぞれの時間に駅まで送りつつ、今日もPCモニターと向き合う。...
風早草子
カザハヤソウシ
2024年11月19日
母の通院に付き添うため、仕事を休んで東京へ向かう。葉山から大森まで、高速を通り約50キロ。車やバイクを運転するのは好きなので、このドライブは嫌いではない。
逗子インターから横横道で三浦半島の山中を抜け、トンネルをくぐると幸浦、東京湾沿いの湾岸道に出る。3車線の広い道は走りやすい。右手には東京湾、そしてIHIなど大きな工場、そしてコンビナートの煙突が炎を吹き上げる。左は磯子の丘に立つマンション群など住宅街。ランダム再生のiPad miniから今日はなぜかストリートスライダースの曲がよく流れる。大学生の頃、一時期スライダースばかり聴いていた。
三溪園の崖を左手に見ながら高速は大きくカーブし、抜けると右手に本牧のコンテナ埠頭が見えてくる。キリンのような巨大なガントリークレーンが群れている。その先は風は強いとちょっと怖いベイブリッジ。大きな斜張橋を渡り切ったら、大黒ジャンクションで湾岸道を外れ、横羽線へ向かう。接続道路は制限速度が60キロ、覆面パトカーがよく走っているので注意が必要だ。左に見える「さとうのふるさと」がいつもシュール。生麦ジャンクションから横羽線へ入ると、道幅の狭い二車線の古い高速でゆったり走る楽しさはなくなる。右手にはAGCやJFE、鶴見、川崎の京浜工業地帯ど真ん中。左は密集した住宅街。BGMに流れてきたコルトレーンは気分じゃないのでスキップしたらディープパープルが始まった。車は多いが渋滞はしていない。多摩川を渡り右手に羽田空港を見ながら走ると、もう実家は近い。この辺りでアヴリル・ラヴィーンが流れ始めた。これは妻のCDだ。まだ子どもが産まれる前、彼女がFM番組の洋楽担当DJをしていた頃の曲だ。なんていう曲だったかな?と車のディスプレイに曲名を表示してみると「Sk8er Boi」とある。読めん。
あとで調べると、スケーターボーイでいいらしい。要はスケボーするダボダボの服着たちょっとトッポい少年のことらしい。当時のアヴリル・ラヴィーンって、確か16歳くらいだったと思うが、いま聞いてもいい曲だと思う。
気分転換のドライブは終わり実家。手紙、食料の確認、通院付き添い、買い物補助、昼食、薬の訪看さんへの引き継ぎなどいつものルーティン。
そして今回は証券会社の金融商品の解約だ。父から相続した形で証券会社に母名義の証券商品がいくつかあり、毎月、残高や運用実績の手紙が来る。もちろん母に投資運用はもうできない。この先、母が何らかの施設に入る場合、基本的に費用は本人名義の銀行口座から引き落としになる。認知症が進み本人の意思確認ができない状況になると、金融商品などはにっちもさっちもいかなくなる恐れがある。今のうちに解約して現金化して本人の銀行口座に集約しておくのが良いだろう、というのが兄と一致した意見。証券会社に問い合わせると、本人が話せるなら、解約手続きは電話で可能ということ。そこで、母の携帯で私が証券会社に電話してスピーカー通話で内容を聞き、母に必要な指示を出す。
証券会社の電話窓口はいつも混んでいるようだが、15分くらい待ってオペレーターにつながった。私が趣旨を説明すると、オペレーターから母に対して、本人確認の問合せ。住所や生年月日を答えさせる。あとは7つの金融商品について、残高や解約手続きの説明がオペレーターから一つ一つされていく。「よろしいですか?」というという問いがあるたびに私がうなずいて回答を促し、母に「はい」と言わせる。やってることは特殊詐欺の「掛け子」とあまり変わらないかもしれない。(もちろん母に説明して、納得してもらったうえでやっているが)
たっぷり30分くらいかかって手続きは終了。精神的に疲れた。
神奈川県葉山町/57歳