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    風早草子

    風早草子
    カザハヤソウシ

    牛乳パック氷


    よく洗った牛乳パックに水を入れて凍らせたもの。

    本日次男は等々力スタジアムへ遠征で塊氷を持っていく当番なので持たせる。

    チームのジャグのドリンクを冷やすのに使うということ。

    自分たちの高校で練習試合の時は校内の製氷機の氷を使うので不要で、遠征の時だけ、氷当番が塊氷かバラ氷を持っていく。

    いつも父母のグループLINEで何月何日はA班が塊氷、みたいな連絡が来る。高校生なんだから部員が自分たちでやればいいのでは?と思うが、なぜかマネージャーから父母会の担当者に連絡が来てそれをグループLINEで流すやり方になっている。

    ジップロックに入れて保冷バッグで持っていく。

    牛乳パック氷は、前の日に冷凍庫に入れても中心まで凍らない。冷凍庫にあるのを出したら、すぐに次を冷凍庫に入れておくのが重要。そもそも牛乳パックを縦に置けるスペースは、放っておくと食材で埋められて無くなってしまうし。

    今日は試合開始が早いということで5時起き。6時前に駅まで車で送る。

    最近4番に座っている次男は昨日も先制犠牲フライ、タイムリー2塁打とチームの先制点を一人で稼ぎ出す活躍をしていた。

    天才肌で、人と同じ練習をしているだけで、周りより上手くなれてしまうタイプ。その分、欲が少ない。

    そこが物足りない、というか、もったいないような気が前からしている。周りから期待される4番という大役を任される中で、本人に、もっと上手くなりたい、それならどうする?という能動的なモチベーションが湧いてこないかな?と思いながら、口は出さずに見守っている。

    自分に照らして考えると、部活で必死に頑張ってた動機って、むしろコンプレックス、劣等感、挫折感だったような気がする。

    小学生の頃、華奢で虚弱だったので、体育のヒーローにはなったことがない。駆けっこは一等になれず、野球もサッカーもバスケもセンスがない。

    「勉強はできるけど運動は・・・(笑)」みたいな見られ方をずっとされていたのが悔しかった。だから中学校で陸上部に入り、中長距離走なら自分にも少しは適性がありそう、と必死になった。先輩に基礎筋力が弱いと言われて、毎晩家で腹筋50回、背筋50回、スクワット100回、1日も欠かさずにやった。ちょうど体の成長期だったこともあるのだろうけど、効果は劇的で、中2の頃には見違えるほど逞しくなり、中長距離走の実力は3年生にも負けないようになった。「陸上部のあいつ」と校内で認知されるようになったことは、テストの点が良いことなんかより遥かに誇らしかった。

    たぶんこの成功体験は、今に至る自分の生き方、考え方に大きな影響を及ぼしている。

    人が見ていないところでも努力する、努力は自分を裏切らない。

    (残念ながら勉強は努力の習慣が身に付かず、高校に行ってから非常に苦労した)

    次男君には、野球をやるなら、その中で何か将来の自分の軸になるようなものを見つけてほしいと思っているが、どうなるやら。

    幸い、高校野球のレベルが異常に高い神奈川県、次男がそう簡単には打てないようなピッチャーはいくらでもいる。そういう相手を打つにはどうしたら良いのか?ナチュラルな素質でやってきた天才君の必死の努力をトーさんは見たい。

    ちなみに我が家の子どもの中では、長女が私に一番気質が近いかも。ガッツがあり、結果へのこだわり、執着も強い。全国大会に行きたい!と公言してやっていた少林寺憲法では、3回ほど全国大会に行き、高校の時は強豪私立の選手を抑え県大会優勝も果たした。

    次男は感情をあまり出さないので分かりにくいが、器用なタイプではないので、あれだけホームランを打てるようになるまではきっと相当の努力をしていたのだろう。

    双子はまだよくわからない。(笑)

    さて次男、この先どうなるか?

    高校生活って本当に短い。この前新チームになったばかりの気がするが、集大成の3年夏の大会まではあと10ヶ月しかない。あっという間だ。色々な瞬間を見逃さないようにしたい。

    あと、勉強は勉強で頑張ってほしいし、将来のことも考えてくれい。

    朝6時、試合に向かう次男。

    今日の相手は強かったようでチーム全体でわずか3安打に抑えられ、次男も久しぶりのノーヒット。そういう相手に負けて悔しさを覚えてほしい。

    次男を送ったあと、1時間半ほど走ってから渋谷へ出勤。イントラからしか入れないシステムでやっておきたいことがあるので。明日でもダメではないが、まだ何が起きるか分からないから油断は禁物。片付けられる時にやっておくべき。想定外の事態が起きてギリギリの状況になった時に、それが紙一重で自分を救う、ということはよくある。神経張り詰めなくて良いけど、油断はダメだ。

    ランニングコース沿いでようやくヒガンバナが咲き始めた。9月も明日で終わりの今頃。猛暑で年々遅くなる秋の始まり。ついに今年はヒガンバナが10月の花になってしまった。

    書き手

    海秋紗

    海秋紗

    神奈川県葉山町/57歳

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