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    風早草子

    風早草子
    カザハヤソウシ

    ハシボソミズナギドリ

    ランニング中、一色海岸でハシボソミズナギドリの死体を見つける。

    毎年ではないが、この時期、よく見られるもの。

    昨日鎌倉の浜に5〜6羽ミズナギドリの死体があったと妻が知り合いから聞いたというので、注意していたらやはり葉山にもあった。

    渡り途中で栄養切れになった幼鳥が弱って日本沿岸に漂着すると言われている。

    ハシボソミズナギドリは、オーストラリアタスマニア周辺の島々で夥しい数が繁殖し、非繁殖期、北半球の北の海で過ごす。ザトウクジラやシャチが出てくるアリューシャンとかの番組で大量に飛んでいるのがハシボソミズナギドリだ。南半球で繁殖して北半球で非繁殖期を過ごす数少ない鳥の一つ。

    春、日本周辺の海域で多く見られることなどから、昔の鳥の本では北上する時日本沿岸、南下する時北米沿岸という8の字のコースで長距離の渡りをする、と書かれていたが、実際に太平洋で観察した結果、成鳥は太平洋のど真ん中を一直線にアリューシャンまで渡っているらしい。

    初めて渡りをする幼鳥が西に流され、餌の少ない海域で衰弱し、一部が日本に漂着するそうな。個体数が非常に多いので、コースを外れた「一部」の個体でも相当な数に上り、結果、各地の浜にたくさん打ち上げられて時に騒ぎになるようだ。

    ミズナギドリの仲間は日本近海にはオオミズナギドリという種類が生息しており伊豆諸島などでたくさん繁殖している。だからミズナギドリが食べる餌がこの辺りにないわけでもなかろうと思うが、ハシボソミズナギドリは、南半球やアリューシャンで主にオキアミを食べているようなので、この辺りの海で魚を捕る能力はあまり高くないのかもしれない。

    (これはオオミズナギドリ。外洋性の鳥だが、時に内湾、沿岸近くにも現れる。逗子に群れで接岸した時の様子)

    南半球から飛んできて力尽きる命。

    日々のランニング中に目に入る出来事はさまざまだ。

    書き手

    海秋紗

    海秋紗

    神奈川県葉山町/57歳

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