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    浮記

    浮記

    セルリアン・ブルース

    それは床。

    水で落ちるクレヨンってのは便利だ。そういえば銀座にある月光壮にはじめて行ったとき、ちょうど窓ガラスに自由にかけるというカラーコンテが発売したばかりで、画材のこと何もわからないわたしでもこれなら!と買ったことを思い出した。そしてしばらくそのカラーコンテを使って洗面所の鏡に二十四節気七十二候を殴り書きしていた(参考にしていた本はこちらの文庫版)のだけれど、その習慣自体も自分でお気に入りだったし、硬い鏡にかくというあの不思議な感触を思い出して、そらあ画用紙にかくよりたのしいでしょう!と一心不乱に書きなぐる子どもを見て妙に感心した。

    子どもがわたしに無理やりクレヨンを持たせ「ママ!」(訳:あなたも描いてごらんなさい)と言うので、画伯の邪魔にならないように適当に♡をゴリゴリと描いてみると、ああこれもなんとも言えないかき心地。しばらくふたりでゴリゴリ…ゴリゴリ….

    少し経ってからおしりふきで拭いてみたら想像以上にあっけなく消えてしまって「消したくないのに消えちゃうね」となんだかしんみりしてしまった。子どもはもうすっかり電車のYouTubeに夢中で、今日も壊れた人形のように「でんしゃ!!」と何度も何度も叫んでいた。すき・たのしいのパワーを全身に浴びれるっていい。

    書き手

    migiwa

    migiwa

    埼玉県さいたま市/36歳

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