「お米とアメリカのダブルミーニング」Tくん
アルキメデスは浴槽から溢れる水を見て「ユリイカ!」と叫んだ。私たちは日々見聞きする言葉に触れては「エフェメラ!」と叫ぶと...
エフェメラ!
エフェメラ!
2025年10月3日
アルキメデスは浴槽から溢れる水を見て「ユリイカ!」と叫んだ。私たちは日々見聞きする言葉に触れては「エフェメラ!」と叫ぶともなしに記録しようと思う。言葉は儚いものであるからこそ、今このときを確実に残してくれるから。
「私が引き継いだときの棚は、特定の国をとりあげているという理由だけで並べられたような棚で、その並べ方がノイジーに感じられることが気になった。私は、歴史書を探しにくる人たちが静かに本と向き合える棚を作りたかった。」
篠田宏昭「おとなになって読むケストナー」『図書』2025年10月号
楽しみにしていた『図書』。こちらでちらっと書いたエフェメラの回収でもあります。「我らが書店の店長」が篠田宏昭さん、「出版社のPR誌」が『図書』です。
読んでみると、最後にとってつけたようなケストナー展の紹介があって、なるほどこの展示があってこそのテキストだったのかなと思う。それにこんなに篠田さんケストナー読んでたんだとも。つまり、篠田さんのケストナー経験録になっているのだが……。
その人を生身で知る者としては、こういう一節が気にかかる。勤める書店の棚がかつてどうであったか? それを変えるにあたってどう考えたか? 担当はもちろん違うので、その手の話をしっかりすることはほとんどない、というか、たぶんしてるけど酔ってて覚えてないので、こうして形に残るのは大変ありがたい。
この『図書』(岩波書店)をはじめ、出版社のPR誌(新潮社の『波』とか、筑摩書房の『ちくま』とか)は、本屋で無料でもらえるので、ぜひ店頭でお問い合わせください。(057)
エフェメラ/「一日だけの、短命な」を意味するギリシャ語「ephemera」。転じて、チラシやポスターなど一時的な情報伝達のために作成される紙ものなどを指す。短命だからこそ、時代を映すとされ、収集の対象になっている。