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    悩みのタネに水をまく

    悩みのタネに水をまく
    ナヤミノタネニミズヲマク

    ねり(ま)あるき

     

    日曜、練馬区・富士見台に妻と行く。
    電車で1時間くらいのちょっとした旅だった。地下鉄が地上に出るセクションにその街はあった。

    昼すぎに到着してまずは腹ごしらえとする。
    気になる小さいお店にいくつか目星をつけていたものの、日曜定休のところが多かった。結果、地元展開型のファミレスに行く。就活生らしきグループが鬱憤を晴らしていたが、デトックスしきったのか、暇をもてあまし、なぞなぞ大会に興じていたのが微笑ましかった。

    そして、今回の目的地の雑貨屋さん「Il pleut.select (イルプルセレクト)」にはじめて赴く。気になる音楽レーベル「造園計画」のポップアップストアを開催していたのがきっかけだった。通販サイトで見た、造園計画の音源作品の装丁が興味深くて、実体を見てみたいなと思っていたのだ。

     

    軒先には造園計画でリリースされた作品が置いてあり、Il pleut.select の雑貨も紛れて売っていた。
    上はサボテン、下はアロエの、なぞなぞの語り口のような不思議な植物も存在していた。聞いてみると異なるサボテンを接木したものらしい。
    最近読んだpanpanyaさんの漫画に松ぼっくりとりんごを接木する話がでてきていたので、これが噂の・・・勝手に合点がいった。

    室内にも小さな売り場のスペースがあり、小上がりを挟んでリビングがあった。
    京都のみせのま(見せ・店の間)、もっと分かりやすい例でいうところの駄菓子屋のようであったけど、がっつり仕切られておらず開放されていた。しかし2つのスペースは違和感なく共存していた。リビングにいらっしゃった造園計画のオーナーの島崎さんとIl pleut.select のオーナーさんがお茶を差し出してくれて、家に来たような気持ちで品物を見るという不思議な感覚があった。かといってアットホームまではいかない程よい距離感があった。家と庭の境界。このあたりは読みかけていた「庭の話/宇野常寛」に近しいことが書いてあったような気がするのでのちほど再読するとする。

    長考して、島崎さんのやっているバンド「帯化」の8cmCDと、豆ひょうたんを手に入れた。どちらも佇まいがちょうどよくて、棚に並べておきたい気持ちになった。

    せっかく来たので練馬の街を練りあるく。
    団地、手入れされていない公園、美術館のユニークなモニュメントのある公園などを通り、隣の中村橋駅まで行く。

    中村橋駅では、「古書クマゴロウ」で古本を眺めて、挿絵に味のある本を買ったり、昔ながらの焙煎屋さん「まめせん」で珈琲豆を買ったりする。

    帰って、品々を並べる。これらは消費されるものというよりは、今日の思い出として買った土産としての側面が強い。言ってしまえば生活には不要不急な、浪費ともいえるけれども、その懐の広さに人は感情を抱き、魅力や愛着は宿っていくのかもしれない。

     

    余談のタネ:島崎さんのやっているラジオ「ランダム・アクセス・メモリーズ」の話をちょうどmigiwaさんがされていてびっくり!わたしもよく聞いております〜

    書き手

    ぐっさん

    ぐっさん

    東京都墨田区/33歳

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