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    Sophy's philosophy

    Sophy's philosophy
    ソフィーズフィロソフィ

    funeral

    今朝はコレステロール値の確認のため血液検査に出かけた。帰りにスーパーに寄って、朝に空になっていた牛乳やヨーグルトなどを買う。

    昼過ぎにはバーバラの葬儀で、ベルガモの中央墓地にある教会へ出向く。初めて参列するセレモニーは、なんだかとても荘厳で神々しかった。

    まず初めに、コフィンが教会内に届けられるのを参列者は外から見守る。参列者の前には、ご家族が居て、みんなでコフィンのあとに続いて教会に入っていく。

    教会には、座りきれないほどの参列者が集まり、バーバラが私たちにくれた愛が戻ってきているように感じた。神父によるミサが50分ほどあり、そのあいだ参列者は一緒にお祈りを口ずさんだり、神父の話を聞いたりした。ソフィも1ヶ所だけ分かったのか、お祈りを言っていた。わたしはカトリック教徒ではないから、一緒にそこにいるだけだった。

    ミサが終わると棺が教会から出て車に戻され、そのあとに続いて参列者も外に出る。教会の前でご家族と会話をしたりハグをしあう人たち。時間がゆっくり流れる。それから車がゆっくりと動き出し、墓地内にある火葬施設まで、またみんなでゆっくり歩いた。

    ミサ内では家族がみんなの前で話すことはなく、それぞれが個々になぐさめあう時間が、ゆったりとあるのを感じた。仏教の葬儀だと喪主の挨拶があるから、わたしは少し驚いた。違うんだなあ。

    とこちゃんが感想を日記に書いてくれて嬉しかった。形式を重んじるのではなく、残された人たちの気持ちが最初にあるんだって感じた。葬儀のミサでは、暗い色の服を着ている人が多かったけれども、白色や花柄の人も、赤色の人だっていた。バーバラのご両親は、いつも着られているんだろうと思えるような普段着だった。最愛の娘を突然失って、自分が何を着るかなんて考えもしないんだろうって思う。

    バーバラは、ドネーションで7つの臓器を贈ってくれたと聞いた。彼女の意思で、何人かの人の命が救われたのだと考えると、本当に胸がぐっと掴まれる感覚がする。イタリアでは、IDを作る際または更新する際に、ドネーションの意志を示すことができるそうだ。それを決めたバーバラの強さに尊敬を示したい。

    夕方は、家の近くにある施設でソフィが体操クラブの体験に。階段を降りて5分のところなので送り迎えをするわたしとしてもありがたい。「とっても楽しかった」と戻ってきたソフィのエネルギーに、生きるとは、と思う帰り道の上り階段だった。

    書き手

    sophy

    sophy

    イタリア・ベルガモ/46歳

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