原風景を思う
ボーイお気に入りの場所。 家から自転車で10分ちょっと行った所にある川沿いの鉄橋。いつだったか、自転車で川沿いを走ってい...
P.S.
ピーエス
2025年9月24日
火曜、祝日。
本日はボーイのダンス発表会である。元々は3歳(だったかな?)のころに子の適性など手探りな状態で特に強い理由があったわけでもなくサッカークラブに入ってみた。ドリブルやシュートの練習はそれなりに楽しくやっているものの、ゲームになるとまったく参加しない。だんだんとわかってきたが、どうやら彼は争うことが嫌いなようだ。でも身体を動かすイメージとイメージ通りに動かない事実、そこからイメージと動きをチューニングしていくような体験はやはり目的を持った運動が適切だ、ということで近所のダンススタジオに入ってみた。5歳のときだったかな?
その界隈にはまったく疎いのだが、割と有名なダンサーさんもいたりするらしく、ガチでやっている子どもたちがたくさん在籍している。ボーイはそういう子達と自分を比べて悲観するでもなく、それ故にものすごくのめり込んだりもしないけど、飄々と淡々となんだかんだ言いながら通い続けている。今日はそんなスタジオでの2回目の発表会。
もはやステージ上で固まったりすることはないが、一緒にステージの上るメンバーの中でもかなり温度差があって、上手い子はすごく上手い。まあでも本人はそこを気にしていないので「本番はもっと大きく動こう!」とだけ言ってステージに送り出す。精一杯やりきったボーイは客席に戻ってからずっと爆睡してた。
我々はボーイの出演が終わってからも他のチームのステージを観ていたんだけど、プログラムにひとつ謎の演目があって、なんなんだろうとは思っていたが、始まってみたらU10とU15それぞれ予選?を勝ち抜いた8名ずつがトーナメント方式でバトルする、というものだった。それまで出演する子どもたちの親が微笑ましく見守るという空気感だったのが一変してMCが声を上げ、ステージには審査員がずらりと並び、その中央でバトルが始まる。審査基準もなにもまったくわからない私としては完全に置いてけぼりをくらった感じ。
ある程度その道を進んだならば、一体今自分がどのあたりにいるのか、ということに興味が出てきて当然だし、そういった意味でバトルという形になるのもまあ分かる。けどそれ、この場でやらなくてもいいんじゃな無い?というのが私の率直な感想で、途中で見ていられなくなって妻に一言ことわりを入れ散歩に出る。バトルが終わる頃に客席に戻ると一緒に来ていたTちゃん母娘となんとなく「帰るか」という感じになり、Nちゃん家族とも合流して帰路につく。
このバトルに関するもやもやを自分なりに整理してみると、そもそもボーイは争いに参加しない立場でダンスを(彼なりに)楽しんでいる。発表会にはそのような子どもたちがたくさんいるし、親子でステージに上る演目もあることからそもそもそういう方向性であったことがうかがえる。一方でより極めたいという子が出てくることは想像できるし、インストラクターがその道において一角の人物であったりするとそういった子どもたちにも対応できてしまうだろう。これは体育の授業でやるバスケと将来的にNBAを目指すバスケくらい違うように思う(たとえでバスケを挙げたけど野球でも水泳でもバレーボールでも何でも同じ)。発表会、という場で一連の演目の流れの中にこれらを混ぜ合わせるべきではないのでは?というのが私の意見。運営側としてはそういった側面を見せることで「こういう道もありますよ」と示し、プレイヤーの裾野を広げたいというのもあるかもしれないが、私はどうも釈然としない。
とかなんとかモヤモヤしながら時間も遅いしお弁当買って帰ればいいかー、とお弁当選んでいたらボーイが「今日頑張ったよね?ご褒美とか?」などと今まで言ったこと無いようなことを言い出し「よし、じゃあ何がいい?」と返したら一生懸命考えた挙げ句に「わかんない」と半べそになっていて、私としては「そういうのでいいんだよ」という気持ちで一日を終えたのであった。当然、抱きしめて焦げそうなほど頭を撫でて今日までの頑張りを褒めちぎったのは言うまでもない。