家庭内別居、太陽の13日間、はじまる
それは突然やってきた。 「おかあ、あっちの部屋に住まない?机を運ぶの手伝うよ」 直球で飛んできたのは、家庭内別居宣言。 ...

島縞
シマシマ
2025年9月30日

やってしまった。
小松菜を湯がくのに、深めのフライパンいっぱいにグラグラした熱湯。片手だから、こぼす時のバランスが難しい。しかも、新しいフライパンで初めてこぼす作業。もっと慎重になるべきだった。いや、慎重にやってはいたけれど、どうしようもないか?
人差し指と中指、第二関節から付け根にかけて、その時までグラグラ・グツグツさせていた湯が、かかった。
すぐに流水に流して、保冷剤で冷やしたけれど。
みごとな水ぶくれがふたつの指に完成した。ああ、聞き手の右手だよ、なんてこったい。
こんな日はいろいろやってしまうもので。そのちょっと前には掬ったさじに塩が残っていて、しまうときにそこから床にばらまくし。その前には、画像を誤送信するも削除できないし。そういえば起きたときも、かけてるタオルケットの片方は娘にのられて、もう片方は自身でのってて、締め付けられて苦しくて目が覚めたのだった。いや、もう寝る前から眠気に襲われたからだを支えることさえできずにボロボロだったんだった。
そういう日は重なるもんだ。
そうはいっても、なんでよ…って思ってしまう。
はああ、今日は娘に全然やさしくない。いやんなっちゃう。
保冷剤に包まれた指じゃ、キーボードを打つのもひと苦労だ。もういやんなっちゃう。
ヒリヒリと、痛い。情けなさが、さらに痛みに拍車をかける。
ため息とともに、からだのなかの悪いものを外に吐き出してしまおう。
そうしてからっぽのからだに、歌集と雑誌で出会ったことばをつめて、満たすことにしよう。
9月が終わる。