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    島縞

    島縞
    シマシマ

    今朝は雨音が大きい

    いつも過ごしているダイニングキッチン。そこと廊下の間に引き戸がある。

    晴れた日、廊下の向こうの洋間の窓からは光が指す。たくさんのおうちやお店の向こうに、お山と空を望む。『ここからそれを眺める』のが、娘の好きなこと。一昨日、初めて知ったこと。雨の日は、そこからなにものかがやってきそうで怖いから、引き戸は閉じるのだと言う。

    そして今日は、閉じている。
    雷は何度も海に落ちて、この部屋の床までジリドドドワーンと響かせる。

    月初だ。ということで、仕事三昧だった。普段仕事をしていない人間の三昧は、ひとの通常ほどもないのだけれど。始めたらバリバリとのめり込む。そして、他が手につかなくなる。終わるまで、目処が立つまで、それが続く。うまく切り替えられないのに在宅ワークができているのは、それほどの量を抱えていないからなのだろう。もっとバランスの取れた人間になりたい。

    ようやく、頭はこちらの世界へと戻ってきた。
    けれど、心は幼児のおもちゃ箱状態。

    昨晩布団に転がり、真っ暗な向こうに娘の気配を感じながら気がついた。娘もいよいよホルモンのやっかいさに、巻きこまれているのかもしれない。お腹空いた、楽しい、悲しい、嬉しい。単純で素直な感情に、いつからままならなさが混じっていたのか。
    身長もいよいよ私の口元に近い。たまに膝の上にくるけれど、もはや収まらないサイズ感。
    ベッタリがいつまで続くのかとヤキモキしているけれど、本人と私の思っているよりずっと早い先までなのかもしれない。

    書き手

    ひらのあすみ

    ひらのあすみ

    長崎県五島市/44歳

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