茗荷谷の店窓から
店を営む。厨房からお客さんとコンタクトが...
風早草子
カザハヤソウシ
2025年3月13日
家族が多いので我が家は日々、何らか面白いことが起きているのだけど、全部を日記に書ききれないし、その面白さを家族以外の人に分かってもらうためには、意外と「前提」の説明が必要。でも今日は、割と面白い話だったので、前提も含めて書いてみようと思う。
まず前提は子どもの散髪の話。
子どもの髪の毛をどうするか?というのは、子どもを育てるすべての家庭の永遠の懸案だと思う。特に男子。所詮子どもだし、高いお金を払って理髪店に連れて行かなくても、と思うもの。我が家も理髪用のハサミセットなど揃えて一時期は私や妻が切っていたこともある。でも頭の数が多いとこれは地味にかなりめんどくさい。で、広島にいる頃、比較的近所に子どものカットを1400円でやってくれる店を見つけたので、当時はそこに行っていた。近所とはいえ、子どもだけで歩いて行かせるような距離ではなく、私が車で連れて行かなければならない。得てしてこういう低価格な理髪店は、QBハウスも然りだけど、予約というシステムがないため、空いてそうな日時を読んで、エイと行くしかない。長男、次男を車に乗せて理髪店に覚悟を決めて行き、私と子どもと3人カットしてもらうが、混んでいると午前中いっぱいはそれで終わる。そして転居すると、また新たな理髪店を探さなければならない。葉山に来てからは安い店がいつも混んでいたりで、子どもの散髪問題に結構苦労していた。ところが、双子が幼稚園に行き始めて、妻が知り合いになった友達のお母さん、アキコさん(仮名)という方が、美容師で自宅で子どもの髪を切ってくれるということを知った。看板を出して店舗として営業はしていないが、家の一階は理髪台があって普通の美容室という感じ。妻がLINEでやりとりして日時を予約し、子どもたちがお金を持って自分たちだけで行く。ご近所なので自転車ですぐだ。私もコロナ禍で在宅勤務続きだった頃、何度かアキコさんに髪を切ってもらったことがある。陽気で気さくな方で、時々海やスーパーで会うといつも先に気付いて挨拶してくれる。
そういうわけで我が家の男子はずっとアキコさんに髪を切ってもらっていて、LINEでの日時の相談も、今は子どもたちそれぞれがアキコさんとしている。だから、髪が伸びてくると妻から「アキコさんところ行っておいで」と言われて、めいめい学校や部活の予定に照らしてアキコさんと相談する、というシステム。小さい頃に比べると親の負担は格段に下がって楽。
えーと、この話は前提なのだけど、長いな。(笑)
で、次の前提は今年のバレンタインデー。中二双子がそれぞれ女の子からチョコレートをもらってきた。それほど本気度がこもったものではないようだけど、割と普通のちゃんとしたチョコレートだ。本気度とか由来がどうであっても、女の子からチョコレートをもらった、みたいな話、私は特に母親にあれこれ詮索されたりするのがとても嫌だったので、中高生の頃、家族には一切言わなかった。(ちなみに、そういうチョコは勉強机の引き出しの奥に隠されたままカビが生えてしまうのが常だった。学校帰りに待ち伏せされて、話したこともない女の子に渡されるチョコレートって、どんな呪力が込められているか計れず、なかなか食べる気にはなれないものだ。)
今の我が家だと、おそらく次男はもしチョコをもらったとしても、家族には絶対言わないだろう。そういうタイプ。たぶん長男も言わない気がする。でも双子はそういうところに壁が何もなくてペラペラしゃべる。ちなみに双子2号は、まったくチョコレートを食べないのだけど、そういうことは言わずに、神妙にもらってきたと言っていた。
で、妻から「ちゃんとしたチョコレートもらったんだから、ホワイトデーにはお返しをしなさい」と言われていたわけである。えーと、これも前提。長いな。(笑)
で、やっと本日の話。
妻が夜いないため、前の日から夕食は子どもたちでやってね、ということで、カレーという話になっていた。当初は娘が作るはずだったが、作れずバイトへ行ったので、当番は双子にシフト。双子は3年生卒業式で部活がなかったので、午後友達が家に来て夕方までゲームをして遊んでいたそうな。それからカレーを作るために、近所のスーパー、ユニオンへジャガイモや玉ねぎを買いに行ったのだが、もうホワイトデー二日前、ということでお礼のお菓子もそこで買うことにしたそうな。でも女の子に返すお菓子なんて買ったことがないので結構悩んだらしい。そこに現れたのが買い物に来ていたアキコさん。で、二人はアキコさんに事情を話してアドバイスを求めたそうな。そして「もっと可愛いのにしたほうが良いんじゃない?」とご助言をいただき、これにしたそうな。最初はただのガーナの黒い板チョコをカゴに入れていたらしい。
夜、家に帰ったら男子3人でカレー食べていて、テーブルにチョコが置いてあったので、聞いたらそういう話だった。そこでアキコさんに相談するんだ?というところがこの二人らしくて面白かったので、日記に書いておく。
おまけ。妻がFBに投稿していた14年前の双子1号くん。我が家のCDラックとか本棚は毎日直しても直してもこういう状態だったな。懐かしい。もう怒ることも腹を立てることもこの頃はなくなっていた気がするけど。そりゃケースはバキバキになるわ。ちなみにこの仕事は写真に写っていない2号くんの仕業だったらしい。
神奈川県葉山町/57歳