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少しウネリは入っているが、まだ台風の影響は強くない海。 高校生は学校が始まり、中学も金曜日から。こちらは始まるといきなり...

風早草子
カザハヤソウシ
2025年10月30日

唐突ですが、いしいひさいちさんの漫画が好きだ。出会いは小学生の時に大阪の従兄弟に貸してもらった「バイトくん」。大阪の東淀川大学に通うバイトくんと仲間の3バカ、仲野荘に暮らす怠惰で貧乏な学生たちのどうでもいい日常を描いた4コマ漫画、と簡単に要約できるような単純なものではないのだけど。ナンセンスのセンスが天才的というのか、バイトくんと全く関係のない4コマも多々収蔵されている。その中には伝説的なお釈迦さまと悟空の漫画もある。いしいひさいちさんというと、「がんばれタブチくん」も有名だし、となりの山田くんはジブリで映画化されているし、朝日新聞でののちゃんの連載も続けていたけど、私としては原点はバイトくん。
大学生になったら、家を出て一人暮らしをしたいという強い希望は、バイトくんになりたい、という憧れも多分にあったと思う。おかげさまで夢が叶い、関西の私大で4年間、風呂なしアパートで暮らす生活は送ることができた。仲野荘ほどワイルドではなかったけど。工務店でバイトしている時に現場の職人のおっちゃんたちからナチュラルに「おーい!バイトくん、これやって!」と言われた時は、内心震えるほど嬉しかった。(笑)
いしいひさいちさんという人は、天才だと思うけど、天才らしくおそろしく多作だ。私は作家の「天才」というのは無尽蔵に作品を生み続けられる人だと思っている。例えば、手塚治虫とか司馬遼太郎とか。全然ジャンルは違うけど、いしいひさいちさんも無尽蔵に漫画を描き続けてこられていたと思う。で、私は小学生以来のフリークなので、小遣いが許す限り、単行本として発行されるものはかなり買ってきた。どの作品もしょうもなさのセンスが秀逸だったりして好きだ。そしてこんなタッチの作画なんだけど、実はものすごく絵が上手い。

ただ流石に近年は病気もされ、ののちゃん以外、描いてなかったようで、最近は書店に行ってもいしいひさいちさんの単行本を漫画コーナーで見かけることはないなーと先日書店で思った。そこで最近の動向をちょっとネットで調べたら、この本が出てきて、思わずAmazonで注文した次第。

これは新聞連載のののちゃんに紛れて、アナザーストーリー的に描かれていたものをまとめたらしい。いしいひさいちさん、こんなところでまた、アナーキーというかボヘミアンというか、そんな実験みたいな挑戦をするとは。いや、面白かった。
ちなみに、私は子どもにどういう大人になって欲しい、というような希望は特にないのだけど、いしいひさいちさんのお笑いのセンスを面白がれる人間にはなってほしいという密かな願望があり、それらは子供の手が届きやすいところに昔から置いている。その企み通り、うちの子供たちは結構小さい時からバイトくんを手に取って読んでいる。でも娘がバイトくんのアクセントを「バ」に置いて発音するイントネーションは、気になって、直させた。そうじゃないんだよ!(笑)
本日は、ようやく開催された仕事の会合が予想通り残念な展開となっていることが確認出来て、戦闘モード?を発動することになり、ややクサクサした気分で帰宅したので、新しい本が届いていて気分転換できてグッド。さすがいしいひさいち!
ところでクマ問題、今後も続きそうなので、昨日書いた秩父の話、リンク記事を参考までに置いておきます。3年前の事件だけど、見た人はどのくらいいるのかな?私はこういう話にはかなりアンテナを張っているのだけど、未見の方はよろしければ。ただかなり衝撃的です。動画は。心臓の弱い方はびっくりしないように心の準備をしてから見ることをお勧めします。

神奈川県葉山町/58歳