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    のちの野良

    のちの野良
    ノチノノラ

    酒田で墓参り

    両親の実家は山形県酒田市にある。日本海側の港町で、かつては北前船の寄港地として栄え、商人が富を築き「西の堺、東の酒田」と称されるほどだったが今はしっかりと寂れている。

    火曜に仙台で仕事があるため、月曜の夜に親父と山形市で会う予定にしていた。だが、日曜の夕方にふと時間ができたので、急に思い立って山形に向かう前に酒田で墓参りをすることにした。こんなことなら、もっと早く動けばよかったが、思いつかなかったのだから仕方がない。

    酒田に住む母親に電話やLINEで連絡を試みたが、なかなかつながらない。

    何とかなるだろうという気持ちで見切り発車で出発。Googleマップによると、目的地までは車で6時間半。到着は21時半頃の予定だ。

    途中で母親とも連絡が取れ、予定どおりに無事到着。
    秋刀魚と牛タンでもてなしてくれた。

    日本海側の酒田では秋刀魚は獲れない。

    牛タンは仙台の店のものだそうだ。わざわざ選んでくれたのは嬉しいが、やはり地のものを食べたかった。

    「からどり」と「もって菊」が嬉しい。それなりに疲れていたので夜ふかしせずに就寝。

    翌朝、飼い犬が亡くなってから太ってしまった母と一緒に散歩をした。

    河口沿いに住んでいて河川敷にはゴルフ場がある。増水の際にはゴルフ場がよく水没するので、しょっちゅう避難している。

    酒田は日本海からの強い季節風と飛砂の対策で、松の防砂林がつくられた。人と自然が共存してきた象徴なのだが、松くい虫被害が甚大だった。

    海水浴場も近い。海は荒れている。

    荒れている海を眺めているオジサンを見て田舎を実感。

    寒いし風も強いし雨もパラついているのに、ぼーっと海を眺めている。能登にいるときの僕のようだ。

    帰宅後に母親がユリの種が取れるんだよーと教えてくれた。意識したことが無かった。

    母親と別れて墓参りへ。

    車を降りてすぐに豪雨。

    笑っちゃうくらい豪雨。

    手を合わせたのは一瞬で、後は墓を掃除した。今回もまた両家の墓参りを終えた。

    今の自分があるのは、ご先祖様のおかげだと思っている。日々の暮らしの中で、どこか運に守られて生きているような気がする。
    いつも気にかけてもらっているお礼を、直接伝えに行く。墓参りは、いわば顔合わせのようなもの。

    単純に数少ない子孫が会いに来てくれたら、そりゃあ気になって可愛がっちゃうでしょうよ。人なんだから。僕だってきっとそうするもん。

    車内でオンラインのアポ対応をして 、予約したランチへ。

    向かう車内で植林された若い松を見て、少し安心した。

    ランチはだるま寿司。地の魚を出してくれた。

    山形へ向かう。ここから車で2時間。遠い。

    書き手

    ぴんぽいんと

    ぴんぽいんと

    東京都新宿区/45歳

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