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    エフェメラ!

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    「2026年 3月期文庫新刊案内」TOHAN

    アルキメデスは浴槽から溢れる水を見て「ユリイカ!」と叫んだ。私たちは日々見聞きする言葉に触れては「エフェメラ!」と叫ぶともなしに記録しようと思う。言葉は儚いものであるからこそ、今このときを確実に残してくれるから。

     

     


     

    「2026年 3月期文庫新刊案内」
    TOHAN

     


     

     

    2月(と8月)は本が売れないというのは大昔の話で、今では年中売れないわけだけど、かつては切実な問題だった。だから、話題作りにと芥川賞と直木賞は1月と7月に発表され、翌2月と8月に芥川賞は『文藝春秋』に、直木賞は『オール読物』にそれぞれ受賞作が掲載されるようになった。ちなみに、この度はじめて気がついたのだけど、新書大賞も2月発表。2月は今も変わらず版元にとって相当キツい時期なのだろうか。

    その名残りかしらんが、2月は文庫も力が入ってるようで、今月の文庫にも気になる新刊がぼちぼち出ている。とりあえず草森紳一の『本に狂う』(ちくま文庫)を買った(ほかに同じくちくま文庫から出た石垣りんのエッセイ集も気になった)。

    毎月初めに翌月の新刊案内を知らせる一枚紙が書店に届く。トーハンの「文庫新刊案内」で、これが毎月頭の楽しみでもあるのだけれど、3月はあまりにパッとしない。滝口悠生『長い一日』が講談社文庫になるくらいで、めちゃくちゃ話題になりそうなものもなければ、おやっと思うような変わり種もない。(109)

     

     

    エフェメラ/「一日だけの、短命な」を意味するギリシャ語「ephemera」。転じて、チラシやポスターなど一時的な情報伝達のために作成される紙ものなどを指す。短命だからこそ、時代を映すとされ、収集の対象になっている。

    書き手

    迎亮太

    迎亮太

    東京都国立市/32歳

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