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    かきぬまめがね@東京

    かきぬまめがね@東京
    カキヌマメガネアットトーキョー

    「やりなさい」は、なくなる

    日曜日、次男を習い事のお絵描き教室に送る。今日夫は朝からバンド練習に行った。

    ぽこっと長男と二人の時間が生まれたので、次男の習い事の間(約1時間)「お茶する?」と誘い出す。いつも混んでいるコーヒー屋さん、まだ朝早かったので席があいていた。私たちが席についた後、続々とお客さんが入ってきた。コーヒー屋さんの忙しい日曜日の幕開けを見た。

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    別に何か特別なことを話すでもなく二人並んで、長男はチーズケーキを、私はフルーツサンドを食べた。

    今日パパは午前中楽器の練習だよ、と話したら「パパ、日曜の半分が練習で、休みが半分しかなくて大変じゃん」と言った。なので「それは違うね。パパは自分で楽器の練習をやりたくてやっているから、大変じゃないよ。楽しいことだよ」と伝えたら「そうなんだ、『やりなさい』じゃないだ」と。

    大人になるってことは、突き詰めたら『やりなさい』な出来事はなくなるってことだ。もちろんやりたくない仕事とか、家事とか、あるんだけれど、それらも全部ひっくるめて自分の選択のうえに生まれる出来事しかない。大人になるってすごい。大変だけど、楽しい。

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    我が家では夕飯の時、学校や保育園の帰りの会のように「今日楽しかったことがあった人!」「はーい」と、挙手制で楽しかったことを発表する時間がある(忘れてやらない日もある)

    私や長男が発表したのだが、パパは特に挙手しなかった。すると長男が「パパもあったでしょ、練習楽しかったでしょ?」と伝えていて、あ。カフェで私が話したことが彼に伝わっている。と思った瞬間だった。パパは「楽しかったよ」と返事をした。

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    特別なことは何もなかったが、そんな日曜。

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    書き手

    かきぬまあやの

    かきぬまあやの

    東京都目黒区/37歳

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