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    かきぬまめがね@東京

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    カキヌマメガネアットトーキョー

    ミナペルホネン展覧会「つぐ」

    週末のミナペルホネン展覧会の感想。

    砧公園には行ったことが何度かあったが、そこに美術館があることを知らなかった。友人に誘われて雨上がりの美術館に向かう。紅葉の中にあり、とても素敵。

    最初は今まで作られたテキスタイルがずらっと展示されており「かわいいー」とか「きれいー」とか。こんな感じで展示が進むのだろうと思っていたが、そのゾーンが終わったら、ミナペルホネンのものづくりを支えている日本の会社(町工場とでも表現するのがいいのかな)の紹介が続く。これがすごく面白くて。まるで手書きのような温かみのある刺繍やレース、絶妙な色味の染料のプリントなどが作られていく裏側が紹介される。それらは決してオートクチュールではなく、あくまでもレディメイドとして生産されるものたちであり、そのバランスをデザイナーさんと職人さんたちが探る姿に感銘をうける。

    友人と「こういう町工場みたいなところってどんどんなくなっていきそうだよね」と話しながら見ていたのだが、事実その通りの部分があった。展示ブース最後に紹介される、職人さんたちのインタビュー動画のなかで「この数十年はできなくなることの連続で、」という文脈があった。

    AIの登場なんかに代表されるように、できるようになったことが、もてはやされる時代。だからその陰でひっそりと「できなくなること」が存在している事実に衝撃を受けた自分がいた。大切にしていかなくては、どんどんなくなっていくものがある。

    ミナペルホネンのタンバリン柄のファブリックパネルを持っているのだが、最近飾っていなかった。場所を見つけて、また大切に飾りたいと思う。そこに至るストーリーを知って飾ることに、とても意味を感じている。

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    書き手

    かきぬまあやの

    かきぬまあやの

    東京都目黒区/38歳

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