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    Sophy's philosophy

    Sophy's philosophy
    ソフィーズフィロソフィ

    whatever works

    Woody Allen の Whatever works を観た。2009年のニューヨークを舞台にした映画。当時わたしはNYにいた。たぶんこの映画も観た気がするけれど、これまた覚えていない。英語がわからなくてメッセージが理解できてなかったんだと思う。だから記憶に残らなかったんじゃないかな。

    15年以上が経ち、2026年のわたしが観たらとても面白かった。人生のステージが重なってきて年老いて共感する部分もあったのかもしれない。

    日本語の題名を調べたら、人生万歳!だって。これはいやだ。わたしなら絶対にそうはしない。何でもキャッチーになろうとしてつまらなくなる。

    なるようになる、いや、なるようにしかならない。だから受け入れよ。というメッセージなんだと理解した。それが人生万歳って、ケッちゃっちいわ。と邦題に文句を言っても意味ないけれど、これじゃ多くの人に観てもらえなかったんじゃないかな。知らんけど。

    自分がいた頃のニューヨーク、こんな感じだったなあって思い出した。前に、耳寄り相関図で野島さんが話していた「たまにGoogleマップで昔のストリートビューを見る」を思い出し、さっそくわたしも当時住んでいたストリートを辿る。10年前の戻り方は分からなかったので、現在のご様子を。

    駅名をまず思い出して、そこから歩いた道を辿ってみた。まだ銀行がある。フィットネスもある。カフェもある。あ、アパートの2階の一室にあったヨガスタジアムの看板も健在だ。

    $5で好きな時に駆け込みしてレッスンを受けていた。男性のインストラクターが、クラシック音楽を掛けながらフローヨガをみんなでやった。10人並んだら一杯の部屋だった。あのときのヨガで、瞑想に繋がる意識を知った気がする。また行きたいなあ。

    通ってたコインランドリーもある。家には洗濯機もクーラーもなかった。シェアハウスしていた。だから毎週、ズダ袋に洗濯物を入れて洗いに行ってた。乾燥機のパワーが凄くて、全部ふかふかに乾きあがるのだった。真ん中にはテーブルがあって、みんなが自分のランドリーを畳む。タオルも服もパンツも。めちゃくちゃ生活感に満ち溢れていた。

    角を曲がってストリートビューを見ていたら、番地がスッと頭に浮かんだ。31-44. タクシーの運ちゃんによく言っていたから忘れてなかった。玄関の扉はなんだか新しくなってるように見えるけど、そうそう、ここだ。私の部屋は反対側のバックヤードが見えるとこだった。ああ、切ない。でも青春。29歳のわたし、よくサバイバルした。

    ニューヨークで子育てをしたいとは全く思わないけれど、いつかソフィが大きくなって、住みたいって言ったら応援してあげよう。治安が心配だけど、ストリートビューを見る限りは、15年前よりはダークな感じが減ってる。というか、新しい店が増えたからかな、まあそれは当たり前か。

    自分の父と母は、当時どんな気持ちでわたしをニューヨークへ送ったんだろう。彼らは一度もNYには来なかった。まだ働いていた世代だったし、そもそもアメリカに興味すらなく、何も知らなかったんだろうな。「危ないでしょう」とか一切言われなかった。わたしも3ヶ月に一回くらいしか電話すらしなかった。まだSkypeが出始めた頃、国際電話は高すぎたし、LINEみたいな便利すぎる繋がりツールは無かった。そもそも携帯はガラもガラケーだった。

    15年で、こんなにも簡単に誰かの顔を見ながら話ができるようになるなんて。あの頃のわたしは、LINEがあったら、もっと強くなっていたのかな。サバイバル力はついたのかな。

    書き手

    sophy

    sophy

    イタリア・ベルガモ/46歳

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