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    風早草子

    風早草子
    カザハヤソウシ

    23年

    4月29日は私たち夫婦の結婚記念日だ。もう23年。そりゃそうだ。娘が21歳なんだし。妻とは金曜日に夕食でも?という話をしているが行けるかな?

    結婚記念日とかでも日常は日常。そもそも私は今日も出勤するつもりだし。次男は今日も練習試合だが、集合が早くて5時半に起こしてくれ、ということ。試合開始は10時とからしいが、昨夜の強い雨でグランド整備に時間がかかるため、集合が早いそうな。6時15分出の弁当あり。昨夜は土砂降りだったため、長女に駅まで車で迎えにきてもらって自転車を駅に置いてきているので逗子駅まで車で送ってやる。その帰りに私は自分が駅に置いてきた自転車を車に積んで帰る。駐輪料金は24時間単位なので、この時間に回収できれば1日分で済む。家に帰ると今度は双子が起きてくる。こちらも野球部午前練。おにぎりを2個ずつ持って自転車で中学へ行く。私は朝から職場に出るつもりだったのだが、10時から町内会の集会があることを昨日思い出した。今年度、町内会の組長というのを頼まれている。近隣ブロック十数世帯に回覧板を回したり、町内会費を集金したりする役目だ。町に住んでいる以上、こういう役目は回ってきたら引き受けないといけない。ただ前任の方が、道具を持ってきてくれたのだが、まともな引き継ぎがないまま引っ越されてしまい、何をしていいのかよくわからない。今日の組長総会に出れば分かるかな?と思っていたのだけど、むしろ混迷が深まった感じ。自分で近隣のお宅に足を運んで情報を集めないといけない感じ。まあ頑張ろう。

    昼から大急ぎで渋谷へ向かう。祝日の渋谷なんて仕事気分で行くところではないけど、今日はイントラ上のシステムを使って片付けたい仕事があるので家ではできないのだ。去年の秋の業務で新システムに読み込まれた全国約1000人分のデータがある。これをうまく生かせば、夏の業務の効率がかなり向上するのではないか?というのが私の読み。そもそも以前は、書類が手書きの紙で提出されていたため、集約とか解析とかが全くされていなかった。全国的にシステム化を決行したため、1000人分の電子データというものが初めて、一つのCSVファイルという形で出現している。これを次に活かさない手はないだろう、という話なのだが、その意味や重要性を理解して、解析や分析するモチベーションを強く持っているのは私だけなので、これは私がするしかない。(爆)今日は4時間集中!と決意してPCと必死に向き合った。でもおかげで、ついに輪郭が見えてきた感じ。この先の作業は業務委託の外部ディレクターにやってもらうのだが、有効に引き継げるところまで何とかたどり着いた。

    渋谷からの帰りに花を買う。結婚記念日だし、手ぶらで帰るのもどうかと。ただ花とかの好みは妻と全く気が合わないのだけど。(笑)

    それにしても23年。長いようなあっという間のような。34歳で結婚するまで、どちらかというと、ピリピリ、ギラギラしているタイプで「あいつ結婚とかするのか?」みたいに見られていた口なので、5人の父親をやっていることに昔の知り合いには驚かれる。私自身がそもそも驚いている。でもそれは全く悪い意味はなくて、34歳からまたこんなに面白い人生が展開するとは思っていなかった。まあこの23年間、常に必死だったので、いつも楽しいわけでもなく辛い場面の方が多かったと思うけど。とりあえずここまで一緒に歩んできてくれた妻には感謝しかない。なんか必死だった私たちの様子が思い出せる写真があるか、iPadを探ったらこれが出てきた。雨の中、レインコートフル装備で双子を自転車に乗せて出かけようとする妻。

    こういう外出って、準備するだけでヘトヘトなるウンザリ案件だけど、双子が楽しそうにしているためか、妻も少し笑っている。たぶん私たちはこの子達の明るさと愉快さに助けられてきた。

    ところでかきぬまさんの日記を読んで、双子が小さい頃に言った言葉を思い出した。

    「カーサンはつぎのアカチャンはイツうむの?」「ボクたちもオトートがほしいよ!」

    なんて物騒なことを言うんだ?と当時思ったことを覚えている。(笑)

     

    書き手

    海秋紗

    海秋紗

    神奈川県葉山町/57歳

    ©30YEARS ARCADE