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    もしもし五島列島

    もしもし五島列島
    モシモシゴトウレットウ

    レギュラーになれなかったのは、運動神経のせいじゃない、ただ頭がパンパンだっただけ

     

    中学生の時、私はバレーボール部に入っていた。

     

    ​しかし、どう考えてもバレーボールに向いていなかったのはわかっていた。

     

    それなのに毎日必死に部活へ行き、必死に食らいついていた。理由はただひとつ、友達関係を壊したくなかったから。

     

    ​あの頃の私は、純粋にスポーツを楽しんでいるというより、目の前の「毎日」をどう乗り切るか、どうにかして食らいつくかということばかりを考えていた。

     

    運動神経もないし、バレーの技術もない。自分に向いていない場所にしがみついている時間が、たまらなく情けなくて、惨めだった。

     

     

    ​そんな苦い記憶を、ふと思い返してみた。

     

    ​「あの時間、いろんなことを頭の中でパンパンに考えすぎていたな」と。

     

    ​バレーが下手くそだったんじゃない。

     

    妄想家の私は、考えすぎているから、次の行動がワンテンポ遅れる。考えすぎているから、飛んでくるボールがまともに目に入らない。私は自分の運動神経が最悪だと思い込んでいたけれど、本当はそうじゃなかったのだ。ただ、バレーボールというものに対して、集中力が「散漫」になっていただけだった。

    きっとこの世の中には、かつての私と同じように「自分はこの場所に向いていないかもしれない」と落ち込み、注意力が散漫になってしまっている人がたくさんいると思う。

     

    ​でも、それはあなたが惨めだからでも、能力がないからでもない。ただ、頭の中が忙しくて注意力が散漫になっているだけだから、落ち込む必要なんてどこにもないのだ。

    ​今になって思う。

    あの頃の私が学ぶべきだったのは、「どうやったらバレーボールが上手くなるか」という技術論ではなかった。そうではなく、目の前のひとつのことにグッと入り込む「集中力の極め方」の方だったのだ。そして、周りにいる「集中力が素晴らしい人たち」の姿を見て、その心の置き方を勉強すればよかった。

    ​向いていない場所で戦うのはしんどい。けれど、それは自分の才能のせいではなく、心のアンテナがいろんな方向へ向きすぎているだけ。そう気づけた今なら、あの情けなかった毎日のことも、どこか愛おしく思える気がする。

    書き手

    中村千結

    中村千結

    長崎県五島市・東京都大田区/24歳

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