恐竜と都会と夕日
今日は渋谷ヒカリエに「DINO SAFA...
悩みのタネに水をまく
ナヤミノタネニミズヲマク
2024年11月7日
目的地にむかうために、駅の北口を出て、右の線路沿いを歩いていた。
はじめて訪れるのに、なんだか既視感がある。そしてどことなく穏やかではない感情が渦巻く。いやな予感ともいうべきか。記憶を手繰り(たぐり)寄せて、ひとつ思い出す節があり、スマートフォンで調べる。そうだ、これだったか。
黒沢清監督のサスペンス映画『chime』に出てきた通りだった。左側の建物に主人公が働いている料理教室があって、劇中たびたび登場したのと、印象的なカメラの構図が記憶に焼き付いていた。そしてその映画全編に纏わりついていた不穏さが、現実世界に侵食していたのであった。
映画といった作品を通じて何かを体験した気持ちになることは時としてあるが、現実で映画の気分を味わうことはあまりなかったので新鮮であった。でもサスペンス映画なのは御免であった。