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    島縞

    島縞
    シマシマ

    1日の終わりに

    昨日から、私は秘密裏のミッションをこなしている。
    部屋に出たゲ◯ゲ◯を、実家の紙パック式掃除機で吸い取ることだ。そう、娘に気づかれぬよう。

    多足類が本当に苦手。
    だけど、娘が怖がらず過ごせるためなら、母は強くなれる。

    昨晩も、遅い時間だったが部屋の壁を這う標的をロックオン。
    娘が違う方向を向いて遊んでいる間に、掃除機を素早く準備。ゴーストバスターズよろしく吸い込む。

    だがしかし、今晩は娘が先に気づいてしまった。
    あの、サワサワとうごめく触角に。

    半べそで急いで逃げてくる娘に、「お母さんが一瞬で吸い取ってあげるから大丈夫!」と、わずかに震える手で掃除機をセットする。

    昨日は壁だったから、シュッと吸い込めた。けれど、今日のあやつはカーテンにいる。
    1発目、カーテンをシュゴー!!っと吸い込んでしまう。
    一旦止めて2発目、これまた空振り、揺れたカーテンを移動して床に着地。

    ここで逃がしてはならない。
    マットレスをはぐり3発目、隙間に逃げ込まれる。

    母はこのままでは引き下がれないのだ。
    手当たり次第、邪魔なものを向こうに運び、壁とベッドの間にいるのを見つけ、もう逃さない!4発目にしてとうとう吸い込んでやった。

    吸い込んだ後、あやつらは動けるんだろうか。
    ホースをつたって出てくることなんて、あるまいな。

    圧迫させるイメージで、無駄にあちこちを吸う。
    きっと出てこないでおくれ。

    サイクロン式じゃないのが家にあってよかった。
    このときほど、紙パック式でよかったと思ったことはない。きっとこの先も、ない。

    日中、冷蔵庫から降りようとして着地に失敗し、右後ろ足を軽く痛めた猫が、足をひょこひょこさせながらトイレへと入っていった。
    そして、何事もなかったように出てきた。いい顔してる。

     

    書き手

    ひらのあすみ

    ひらのあすみ

    長崎県五島市/44歳

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