
欧州編
オウシュウヘン
2026年7月26日
旅のはじまりは。
2025年8月、私は50歳になった記念に旅に出た。「オランダ人は自分で誕生日のお祝いを催す」と何かの記事で読み、これはいいなと思った。自分で自分にの誕生日会を開く代わりに、50周年の記念になる贈り物をしようではないか!記念の旅に出よう!と決めた。私の節目にはなんとなく旅があった。私の50代の幕開けは旅。娘・あーぼう(小5)をお供に。経験は最大の学び、夏休みに夏期講習に通う代わりに体験学習。
なーんていうのは後づけで、本当のところ発端は遡る事コロナ禍にあった。あの辛い熱と頭痛の陽性の最中、走馬灯の如く旅の記憶が次々と蘇ってきて、
「まさかこんな疫病のせいでよその国に行けなくなるなんて…しかも戦争も起こってしまったし。行きたい時に行きたい所へ行けるということは本当に有難いことなんだ…!行きたいと思った時に行かねば‼︎ 初めてパスポートを手に入れたあの頃よりも人生経験値が格段に上がってるし、自炊とか生活スキルとかパワーアップしてるし、まあだいぶ賢くなった。新聞や雑誌の情報だけじゃない、なんと言ってもスマホがある‼︎ 今の私って最強ではないか‼︎」
と思ってしまい、それはそれは物凄く心の底から沸き立つものがあった。それは高熱によるハイな状態であったのにもかかわらず、「あと3年で50歳だから、そこだな。」となんとなく決意。私が60歳になるとあーぼうは20歳だからその時に旅でもしようか、と漠然と思っていたけどとても待っていられない。前倒し上等。
それからは、何の根拠もなく「50歳記念で旅に出る!」と宣言してまわり、最大の課題である資金を調達するべくバイトも始めた。そして、2025年の始まりとともに本格的に旅の準備を開始。
やっぱり、私の生涯テーマであるヨーロッパに行かなくては!50歳だから50都市!50日間!…なんていうのは急速に進む円安と物価高により速攻で諦めざるを得なかった。ヨーロッパと言っても、どこもかしこも行きたいとこだらけ。行きたい街をつないでいくと50日間でも足りない。広すぎるヨーロッパに途方に暮れた。航空券を探すにも、どこに向かえばいいのやら…としばらく悩みに悩んだ。もうダーツ投げたりサイコロでも振ろうか、と思ったくらいに。

調べていくうちにやはり円安と物価高により北欧、西欧の街々はリストから外れていった。東欧かな…とエリアを絞り込んだらいきなりパズルがハマり始めた。そこに「居たい」「行ってみたい」の心の声に従って、訪れたことのない国、また訪れてみたい街、なんとなく気になる地名を挙げていった。入口が決まれば行ってから決めるのもありだよな、と思えたがそこはやはり子連れ旅、宿が決まっていないのは不安なのでフレームだけは描いておく必要があった。
それにこのスマホ最強時代、最大の節約ポイントが何においても「事前予約」であると判明。しかし安くなるには盲点やカラクリ(キャンセル無料、変更不可、返金はバウチャー対応等)もあり、価格と安心安全の身の丈に合ったバランスを探った。なるべくいろいろな種類の交通手段と宿泊施設を調べて移動と拠点(宿)を決めていった。そして半年間、夜な夜な夢中で組んだ日程は25日間となった。
今振り返ってみると、このルート、よく思いついたなあと思う。旅から帰ってきて皆に聞かれたのは「どこが1番良かった??」だったけど答えは「全部」としか言えなかった。自分の勘みたいなもので決めた行先はどこも行ってみてよかった!と即答できる。
自分への贈り物だったはずが、なんだか挑戦状みたいになってしまった。しかも、「この旅は私の集大成!」なつもりで出発したはずなのに、帰る時に「まだまだ行きたい場所があるなあ」とこれはただの始まりに過ぎないと思ってしまった…
1年経った今、そんな旅を振り返る9ヵ国23都市の記録と記憶。

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書き手

minowanaoko
神奈川県横浜市/50歳
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