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    かきぬまめがね@東京

    かきぬまめがね@東京
    カキヌマメガネアットトーキョー

    小さないいことを拾い集める@東京

    今朝になっても次男の熱は大して下がっておらず、本来なら今日新潟に帰省する予定も延期に。

    誰よりも楽しみにしていた長男が「意気消沈」の模範例のようにがっくりしており、あまりにかわいそうである。「弟は今日も家にいなくちゃいけなくて一緒には行けないから、パパとふたりでこっそり楽しいところに行っておいで」と、夫に遊園地へ連れ出してもらう。

    日中夫から楽しそうに過ごしている長男の写真が送られてきて、気持ちも少しは晴れたかと思っていたのだが、夫曰く「弟がいないとなんとなく寂しいのかいつもより大人しい」という文面も一緒に。

    一方、こちらも日中私とつまらなそうに過ごしていた弟だが、兄が帰宅するないなやすごいハイテンションで「かえってきた!」と喜びながら遊んでいる。さっきまでの具合悪さどこにいったよ。

    日頃めちゃくちゃ喧嘩しているのに、なんだかんだでお互いがいないと寂しいふたり。兄弟ってなんなんでしょうね笑

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    連日の看病でストレスフル、とっぷり日が暮れてから取り込み忘れた洗濯物があることに気づき、げんなりする。足取り重く屋上に上がったら、かなり遠かったけれど神宮外苑の花火が少しだけ見えた。全部が見えるわけではないものの、一部分だけでも見えると嬉しくなるから打ち上げ花火ってスペシャルだ。

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    そのあとは見かねた夫が「行ってきたら」と近所の銭湯に送り出してくれた。ありがたく銭湯サウナを楽しむ。

    ちょうどサウナの中にあるテレビがオリンピック女子卓球団体決勝戦を放映しており、そこにいる見ず知らずの人たちと固唾を飲んで見守る、なんとなく謎の連帯感…笑 お風呂から出ると待合室的なところでも同様の試合が放映中。ちょうど試合も佳境で、老若男女入り混じってテレビに向かって応援している。サウナと違って会話をしてもいい場所なので、思わずみな点が決まるごとに「あー!」とか「わー!」とか声をあげていた。人々が1台のテレビに向かって集まっている姿は、なんというか昭和だった。

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    飲むか迷ったが1杯くらいと思って生ビールを注文したところ、ちょうどビール切れのタイミングだったようだ。「途中まで注いじゃったジョッキ半分はサービスしますね」と。サウナ上がりにキンキンに冷えたジョッキ1.5杯を飲む。こんなことあるんだ。おつまみにうまい棒がついてくる、ほろ酔いもいいところだよ。

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    次男の体調が良ければ、今頃新潟の夜を楽しんでいただろうと思う。でも、長男の遊園地も、たまたま見えた神宮外苑の花火も、銭湯でサウナも、サービスのビールも、知らぬ人達とオリンピックの試合を応援する夜も、全部東京に残ったから見れた風景だ。この商店(日記)タイトルのお尻に「@東京」ってつけたのは、まさしく令和の東京を生きる自分を記録したかったからに他ならない。

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    悪いことに目を向けていたら、全部悪くなっちゃうけれど。悪いことの周りにはいいことが散らばってるよね。

    でもでも、やっぱり明日にはそろそろ次男に元気になってもらいたいよね。

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    書き手

    かきぬまあやの

    かきぬまあやの

    東京都目黒区/37歳

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