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    かきぬまめがね@東京

    かきぬまめがね@東京
    カキヌマメガネアットトーキョー

    時をかける銭湯

    今日は午前中、次男が通う保育園の夏まつりの日。息子たちに甚平を着せる、とうとう夏がやってきた気分。

    梅雨明けの10時、午前中とはいえ自転車でたかだか数分の保育園まで向かうだけでもう心が折れそうな程暑い。ここ数年の暑さは暴力的としか言いようがない、焼かれているという表現が合っている気がする。

    あまりに暑いので、午後から父子は屋上でプールを出して遊ぶという。確か先週の土曜、私だけが出勤だった日もプールで遊んだって言ってたな?私はここ数年いよいよ暑さに弱くなってきたので早々に不参加を表明させてもらった。

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    ということで、男性陣が水遊びに精を出している間、私は西小山にあって気になっていた銭湯に行くことにした。なぜならここ、予約をすると一人用の「おこもりサウナ」なるものにも入れると見たので、気になっていたのだ。調べたら、運よく30分後くらいのサウナ予約枠が空いている!チャンス!行くしかない!

    夫には「よくそんなにしょっちゅうサウナに行きたくなるね?」と言われたのだけれど、サウナって中毒性があるんだと思う。あんなわけわからない暑いところと冷たい水風呂に交互に入るなんて、ちょっとおかしな話だよね。でも人間はおかしければおかしい程のめり込むんだろうな。変な生き物だ。

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    お風呂もサウナも気持ち良く、休憩スペースにはたくさん漫画があって、ビールまで飲めた。欲張ってクラフトビール飲み比べというものを選んだところ想定以上に酔っ払う。良い休日だな〜と思っていた時に急に思い出したことがある。

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    私にはおじさんが一人いるのだが(母の兄にあたる)大学卒業後ずっと東京に住んでいた。私が小学生くらいだった時、そんなおじさんの家を宿にして、母と二人新潟から東京観光に遊びに行ったことが何回かあった。おじさんはその頃まだ結婚していなくて、なんと一人暮らしの風呂無しアパートに住んでいた。私が小学生の頃だから、おそらくもう風呂無しアパートって割と珍しかったんじゃないかなと思うんだけど、銭湯に行くこと含め全てが非日常で「東京の風呂無しアパート」に悪い思い出はなかった。楽しかった。

    そしてそう、おじさんがこの時住んでいた街っていうのがまさしく西小山なのだ。

    つまり、小学生の時におじさんの家に遊びに来て訪れていた銭湯って…ここじゃない!?って急に思い出した。なんで今まで忘れてたんだろ。多分30年前に私はおそらくここに来ている。

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    リニューアルしてちょうど4周年らしく、昔と運営自体は変わっているみたいだけれど、調べたら昭和26年からやっているって書いてあり、昔来たのは絶対ここなんだと確信する。

    新潟から遊びに来ていた小学生の私が、30年経って近くに住まいを構え、またここに来てるって知ったらどう思うんだろうね。狙った訳じゃないんだけどこれが「30年」かあ、と書きながら気づく。

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    家から近いし、楽しかったし、今度は家族で来よう。

    長男が今ちょうど6歳。おそらくあの時の私と同じ年齢の長男を連れて。

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    書き手

    かきぬまあやの

    かきぬまあやの

    東京都目黒区/37歳

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