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    クーデターの土曜

    土曜、みんなの朝ごはんを用意するところから。

    しばらくのんびりした後で大学へ。今日は駅前のパン屋で昼食を調達。土曜の大学は学食もやってないし売店も開いてない。

    授業ではこの日でチームビルドと各チームの制作物(の方向性)を確定させたい。授業終了時の目標がそこなので、それまではチーム間の移動も好きにして良いし、なんなら新チームを立ち上げても構わない、と先週からしつこく伝えている。

    この日のスタート時点で4チーム。案をディベロップしている間、教室内を歩きながら様子を見ていると民主主義強め。こちらが共通項を見出して初期チームを作っているので、元々仲良しかどうかなどは関係ないし、具体的な案としては割とバラバラである。それを、可能な限り全部盛り込んだ形のチーム案を作ろうとしている。まあはっきり言ってそれで面白くなる可能性はかなり低い。

    この辺りは小さくも政治的な部分があり、ここを上手くまとめ上げられる人は建築家の才能があると言ってもいい。

    終盤まで最初の4チームで進み、それなりにみんな案を発展させてきた。1チームを除いて。

    授業最終盤、各チームで確定した案の内容をプレゼンしてもらう。進捗の芳しくないチームは最後のプレゼンとなり、自分らの番が回ってきてもなかなか話し出そうとしない。話すべき材料が乏しいのだ。それでも前に出てきて話そうとしている学生を促しつついま考えていることを引き出そうとしているが、その時、チームメイトが他人事のように振舞っているのでさすがに看過できず一緒に考えようよと促すと…なんと、そこでチームを離脱して新チームを作る、と言い出した。なにもそのタイミングでやらなくても…というのがこちらの正直な気持ちだが、まあ仕方ない。ストレスを抱えたままこのあと11回の授業は乗り切れるものでは無い。新チームを容認し、そのチームがやろうとしていることを即興でプレゼンしてもらう。と、さらに驚くべきことにそこに賛同して他チームから移籍するメンバーも現れてあっという間に8名のチームが出来上がった。

    おそらくこのクーデターを起こした学生は能力が高い。高いのだがこれまで前面に出てこようとしなかった。しかしたまたま編成されたチーム内でストレスに晒された結果、自らそこを打破しにきた。そしてそれを機に「なんとなく」割り振られたチームにいた数名が共振した形だろう。

    なにはともあれ連休明けの次回からどう動くか楽しみである。

    ようやく1週間が終わってクタクタで、晩御飯は焼くだけのハンバーグ。ここ数年、授業を受け持っている春学期の週休1日がなかなか身体にこたえる。

    書き手

    田畠隆志

    田畠隆志

    神奈川県横浜市/47歳

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