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    島縞

    島縞
    シマシマ

    お風呂でのひとコマ

    近頃、しょっちゅう湯をはってお風呂に浸かる。自動お湯はり機能は素晴らしい。ちょうどいい量を、入るまで適温を、毎日保持してくれる。ビバ、文明の利器。

    そんなお風呂では、いつも娘と色んな話をする。
    昨日は、腕についていた髪を2本、洗面器に浮かべていた娘。

    「今日からこの子たちを飼うことにするよ。名前は、カミっちと、ノケっち」

    以前から、娘のネーミングセンスにはもっとひねりがあったほうがいいように思っている。でも、あえて突っ込まないでいる。まんま、もまた個性。

    いや、そういうことではない。髪の毛を飼うとはどういうことか。常に頭の上にある、この存在を、抜けて流れ、集めて捨てられる、この存在を、飼う、だと?

    髪の毛に名前をつけたひとを私は初めてみた。お風呂から上がる時も、丁寧に洗面所に置いていた。今後のプランを話す娘の手のひらに乗っていた乾いた髪の毛、いや、カミっちとノケっちが吹き飛ぶ。

    「あれ?どこいった?ま、いいか。また抜けるし」

    きっと、普通のペットではこうも簡単に気持ちの切り替えは出来なかっただろう。

    そんな感性を目の当たりにして、改めて私とは違う人間だ、って教えてもらった。

    梅雨入りらしい曇り空の下のベランダ、トマトの花が満開。

    書き手

    ひらのあすみ

    ひらのあすみ

    長崎県五島市/43歳

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