「なんだかしつれいしちゃう。」イチハラヒロコ恋みくじ/第二十七番
アルキメデスは浴槽から溢れる水を見て「ユリイカ!」と叫んだ。私たちは日々見聞きする言葉に触れては「エフェメラ!」と叫ぶと...

エフェメラ!
エフェメラ!
2026年1月7日
アルキメデスは浴槽から溢れる水を見て「ユリイカ!」と叫んだ。私たちは日々見聞きする言葉に触れては「エフェメラ!」と叫ぶともなしに記録しようと思う。言葉は儚いものであるからこそ、今このときを確実に残してくれるから。
「“切った”って言いなさい」
おかあちゃん
ついこの前、新しく買った服のタグを切ってもらったときの話をしたいな。
タグの糸にハサミを入れてもらうとき、わたしが「切った」って言ったら、迎は不思議そうな顔をしてた。ほつれた糸を切ってもらうときや、新しい洋服のタグを着たまま切ってもらうとき、うちの実家、というかおかあちゃん(わたしはおばあちゃんのことをおかあちゃんと呼んでいる)に、「“切った”って言いなさい」って口うるさく言われてた。なつかしい思い出。
そもそも「切った」ってなんで言ってたんやっけ?おかあちゃんに言われてなにも考えずに言ってたけどどういう意味なんやっけ?昔の人の 迷信?風習みたいなものだったのかな。(ここでとりあえずスマホ検索)調べてみると、 服を着たまま布にハサミを入れたりとか切ったりするのは、そもそもは死んだ人にするようなことだという 。つまりはおかあちゃんが言うところの「縁起悪いわ」という状態だ。とにかくおかあちゃんはよく「縁起悪い、縁起悪い」と言っていた。ってか縁起ってなんだ?と子どものころは不思議に思っていたが、わたしも最近になって「なんかこの場所、気が悪い」などと言い出してるから、案外似たようなもんかも笑。おかあちゃんにちゃんと質問したわけじゃないから正解かどうかはわからないけど、この死んだ人にする行為を生きてるわたしたちにするのが、どうにもこうにも縁起が悪いから、「服を着る前に、先に切ってあったということにしよう」っていう雑な対処法だったのかもな、これ。「切ってあった」から、それが縮まって「切った」になったんじゃないか説。なんかしっくりきた気がする。でも待てよ。ここで急に気になったのは、これはうちだけの話なのか?ということ。いろいろ調べてたら、ネット上で「切った」ではなく、「脱いだ」って言わされてる人がいた!これはほぼ一緒のことやん、と嬉しくなる。全国各地、違う表現でこういうのはあるかもしれないな。などと思っているうちにもういっこ思い出したのが、「つるかめ、つるかめ、つるかめ」っていうおまじない。これも小さいときはよくわからないまま言わされてたな。不安に感じたときとか、怖いとき、いやーな未来を想像しちゃったときなんかに自然と唱えてた。しかもなぜだか「つるかめ、つるかめ、つるかめ」の3回で1セット、これを3セット、合計でつるかめを9回も唱えてた。謎すぎる。でも、短縮版もなぜか認められてて、そのときは3回しか言ってなかったような記憶。これまた検索してみたら、中脇初枝さん・あずみ虫さんの絵本「つるかめ つるかめ」の紹介記事を見つけた!これはぜひ手に入れたい一冊だな。アイキャッチ画像は小さい頃のわたし。あ~、おかあちゃん、会いたいよ。
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エフェメラ/「一日だけの、短命な」を意味するギリシャ語「ephemera」。転じて、チラシやポスターなど一時的な情報伝達のために作成される紙ものなどを指す。短命だからこそ、時代を映すとされ、収集の対象になっている。
アルキメデスは浴槽から溢れる水を見て「ユリイカ!」と叫んだ。私たちは日々見聞きする言葉に触れては「エフェメラ!」と叫ぶと...
アルキメデスは浴槽から溢れる水を見て「ユリイカ!」と叫んだ。私たちは日々見聞きする言葉に触れては「エフェメラ!」と叫ぶと...
アルキメデスは浴槽から溢れる水を見て「ユリイカ!」と叫んだ。私たちは日々見聞きする言葉に触れては「エフェメラ!」と叫ぶと...