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    エフェメラ!

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    エフェメラ!

    「逆に大丈夫ですか?」見知らぬ男性

    アルキメデスは浴槽から溢れる水を見て「ユリイカ!」と叫んだ。私たちは日々見聞きする言葉に触れては「エフェメラ!」と叫ぶともなしに記録しようと思う。言葉は儚いものであるからこそ、今このときを確実に残してくれるから。

     


     

    「逆に大丈夫ですか?」
    見知らぬ男性

     


     

    たいして何もしないまま日曜日が過ぎていき、夕方になっていた。このまま一日が終わるのはなんだか悔しくて、慌てて電車に乗って立川へ。世界堂で粘土を買い、ジュンク堂で漫画を買って、近くのエクセルシオールに。買ったばかりの漫画「アマゾネス・キス」(意志強ナツ子)をテーブルに置き、さあ読むぞと意気込んだそのとき、ガッシャーンの音。どうやらスタッフがグラスを落としてしまったらしい。まあこんなのは良くあることだ。ただ、ちょうどグラスが割れた場所に居合わせたお客さんが異常にやさしい人だった。スタッフの誰よりも早く行動し、グラスの破片を回収。「お怪我はありませんか?」と申し訳なさそうにするスタッフに、「全然大丈夫です。逆に大丈夫ですか?」と気づかう姿を見て、こんな人もいるんだなあと驚く。なんなら、その後の細かい破片の掃除まで手伝おうとしていた。やさしい。なんなら、やさしすぎる。彼のやさしさにつけ込むやなやつが近づいてきませんように、と勝手な心配をしてしまう。

     

     

     

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    エフェメラ/「一日だけの、短命な」を意味するギリシャ語「ephemera」。転じて、チラシやポスターなど一時的な情報伝達のために作成される紙ものなどを指す。短命だからこそ、時代を映すとされ、収集の対象になっている。

    書き手

    ほしばあさみ

    ほしばあさみ

    東京都国立市/42歳

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