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    エフェメラ!

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    エフェメラ!

    「あと、日本の映画、例えば小津安二郎にもインスピレーションを受けた部分があります。特に『晩春』ですね。小津のあの興味深い切り返しのショット。一方がカメラを覗き込み、切り返しの相手の話を傾聴するような。」ヨアキム・トリアー(BRUTUS)

    アルキメデスは浴槽から溢れる水を見て「ユリイカ!」と叫んだ。私たちは日々見聞きする言葉に触れては「エフェメラ!」と叫ぶともなしに記録しようと思う。言葉は儚いものであるからこそ、今このときを確実に残してくれるから。

     


     

    「あと、日本の映画、例えば小津安二郎にもインスピレーションを受けた部分があります。特に『晩春』ですね。小津のあの興味深い切り返しのショット。一方がカメラを覗き込み、切り返しの相手の話を傾聴するような。」
    ヨアキム・トリアー(BRUTUS)

     


     

     

    ヨアキム・トリアーの新作映画『センチメンタル・バリュー』をみに映画館へ。事前にBRUTUSの誌面でインタビュー記事を読んで、小津安二郎の『晩春』も予習してみたりなんかして。
    ヨアキムを知ったのは『わたしは最悪。』という作品。この記事(すごくわかりやすく解説されていて、本当にすごい!)にある通り、「選択」と「運命」がテーマの映画だ。「私の人生はいつ始まるのか?」と悩む主人公ユリヤが、<パッション(衝動)>で、ときに<悩みに悩みながら>する「選択」をていねいに描いていて、とにかく面白い。ぶっとんだ行動(恋人への裏切り行為とか、マジックマッシュルームでハイになったりとか、それは言っちゃダメでしょっていうひどい暴言とか…もう色々しまくる!)をしているようにも見えるのだが、なぜだか不思議とすんなり受け入れられる。このあたり、冬春の主人公・土田文菜と近しい気がしてる。でも文菜のほうがこの記事でいうところの「思考プロセス」の描き方が若干足りてない感じもするな。決して説明的に描いてほしいわけではないけど、もうちょっと文菜の気持ちが理解できるようになりたいなと思っている。
    ここまででおわかりの通り、『センチメンタル・バリュー』よりは、『わたしは最悪。』のほうが好きだったな~。オスロの街で「なんでも選べる」のに「選べていない(自分の人生を生きてるって感じがしない)」ユリヤがなんだか愛しくて、本当に好きだった。もちろん前者もとっても素晴らしいんだけどね。迎とも話したけど、はじまってすぐのプロローグの部分がもう最高潮によかったのもあって、その興奮を超えることはできなかった気がする。でもでもやっぱり、わたしはヨアキムの映画が好きだな。
    ちなみに、映画のなかの字幕で『センチメンタル・バリュー』が「愛着のあるもの」って訳されてて、そういう意味なんだ!って知った。そう思うとこのタイトル、なんかいいよね。

     

     

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    エフェメラ/「一日だけの、短命な」を意味するギリシャ語「ephemera」。転じて、チラシやポスターなど一時的な情報伝達のために作成される紙ものなどを指す。短命だからこそ、時代を映すとされ、収集の対象になっている。

    書き手

    ほしばあさみ

    ほしばあさみ

    東京都国立市/42歳

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