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    かきぬまめがね@東京

    かきぬまめがね@東京
    カキヌマメガネアットトーキョー

    「有難さ」は大人の醍醐味

    朝から美容院の日。

    髪の毛を切ってもらっているわけだが、誰かに身を委ねているというのは気持ちが良い状態だなと思う。赤ちゃんや子供は当たり前のようにお世話されるけれど、大人になると誰かにお世話されること(手入れしてもらうこと、って言った方がしっくりくるかな)の有難さが身に染みる。

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    午後からは私の習字教室。

    長男が習字を習っている先生はもともと私のママ友で、先生としての付き合いよりママ友としての付き合いの方が長い。ここ最近大人向けの習字ワークショップを始め、開催される時は積極的に参加している。彼女が何食わぬ顔をしてサラサラと書く文字が、あまりにも美しい。先生に対して「字が上手」なんて感想を持つのはもはや失礼な話なのだが、毎度「すごい上手だな…」と。綺麗な字っていうのは本当に造形美そのものだ。

    今回ある意味大人向けの習字といえばこれだろう、という「のし袋に筆ペンで名前を書く」という内容だった。これが本当に難しかった!大人が格好良く書きたい文字ナンバーワンが自分の名前じゃなかろうか。著名な方が少し崩したような書体で格好良く墨文字の署名をしているのとかを見かけると惚れ惚れする。あそこまではいけなくても、せめてのし袋に書く名前くらいはもう少し上手に書きたい。

    私の場合、自分の名前の最初の文字「柿」がかなり鬼門。木へんもその横の「市」という部分も縦線が長く伸びる形だ。この縦線を筆で書くというのが本当に難しくて、力の入れ具合が強いと太く格好悪く、弱いとヒョロヒョロの線になり、どちらにしても文字のバランスが崩壊する(ちなみに旧姓も木へんから始まる漢字で苦労した)全然うまくいかないままタイムアップ。これはもう練習あるのみ。

    大人になるとこういった学びの機会も、有り難く思えてならない。

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    手入れされること、学ぶこと、大人になると有り難いと思える対象が沢山ある。

    そう思うようになるのは、大人になって仕事や育児にばかり目がいって、自分に手をかける時間が減るからだろうか。いや違う、自分に対して何にどう時間を割くか、自分自身で吟味して自分でベストだと思うことを厳選しているから有り難いんだ。

    そうやって自分にとっての「有り難い」ケアや学びを選び取れるのは、大人の醍醐味ともいえよう。

    (090)

    書き手

    かきぬまあやの

    かきぬまあやの

    東京都目黒区/37歳

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