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    かきぬまめがね@東京

    かきぬまめがね@東京
    カキヌマメガネアットトーキョー

    足掻く自分を許容する

    明らかに昨日より調子が悪い。これはまずい。

    前に誰かのエッセイで「高熱が出ていると、自分の体を意識する」みたいなことを書いていたのが頭に残っている(菊地成孔だったかな)今現在のわたし、熱こそ出ていないが、だるさを感じることで自分は身体という箱に入って生きていることを感じている。身体のことを日頃あまり意識していないっていうのは、それだけ健康ってことなのかもしれない。調子が悪く、自分という箱とそれ以外の世界の縁取りがくっきりする感じがする。そしてその縁取りよりこっち側が猛烈にだるい。

    昨晩、夫が見かねて「親呼ぼうか?」と電話で言ってくれた。お義母さんの口癖は「何かあったらすぐ声かけてね」なので、多分ヘルプを出せば快く来てくれるだろう。でもいくらお義母さんと言えど、自分の不調を理由にわざわざ地方から来てもらうことに抵抗がなくはない。こうやって意地張ってるから、結局いつもなんとかどうにかなって、母召集には至らない。

    .

    無情にも今日は本当に冷たい雨が降る一日で、夕方になっても雨は上がっていなかった。今日は夕方から長男の歯科検診の日。

    職場・・・駐輪場・・・兄 学童・・・歯医者(送り)・・・自宅・・・歯医者(迎え)・・・自宅・・・弟 保育園・・・自宅

    とカッパを着て自転車であちらこちらへ向かう。寒い。

    こういうとき、私は東京でひとり、一体何を必死に守ろうと足掻いているんだろうという後ろ向きな思いが湧き上がるのだ。冷静になれば私は一人じゃないし、無理せず人の手を借りればいいし、何事も別にどうにだってなるのに。

    それでもやってきたこの悲観的な思いは、紛れもなく自分から生まれた気持ちであり、別に無理して蓋をしなくったって良いと思った。そう思ったから日記に書いたし、そんな自分を許容して、そんな一日を抱きしめて、薬を飲んで早々に眠ろう。

    未来の私が数年後に読んで「体調悪いくらいで、なに悲劇ぶってんだか!」って笑い飛ばしてくれたらいいな。

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    書き手

    かきぬまあやの

    かきぬまあやの

    東京都目黒区/37歳

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