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    かきぬまめがね@東京

    かきぬまめがね@東京
    カキヌマメガネアットトーキョー

    あの場所はきっと受け入れてくれる

    今日は夫がバンド練習の日。どこのスタジオ?と聞いてみると、珍しく神田だという。

    それを聞いた後にふとスマホを開き、なんとなくSNSを見たらぐっさんのお店のスケジュールがトップに表示された。そういえば、茗荷谷って?と思って神田(正確には淡路町)から茗荷谷への移動時間を調べたところ、なんと10分と表示されるではありませんか!これは何かに導かれている!と確信し、夫に「練習行く時、一緒に車にのせてって!」とお願いした。

    かくして、私と息子達は唐突にぐっさんのお店に突撃することを決めたのであります!

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    なにか差し入れを、と思ってお花を持っていこうと決める。持ち歩くうちに傷めてしまうのも嫌だったので、茗荷谷の駅周辺でお花屋さんを調べたところ、地図上で通り道に花屋の名を発見。ここに行ってみようと思う。

    生まれて初めて降り立つ茗荷谷の駅。そして地図上で確認したお花屋さん。辿り着いたところ、激シブなお花屋でおばあちゃんとおじいちゃんがお二人で店番をしている。お友達のお店に持って行きたいと話すとチューリップなんかは今の時期どうかしらと勧められる。シンプルに素朴でかわいいチューリップだけのブーケを作ってくれ、何十年も、何万回もやってこられたんだろうなという手付きでおばあちゃんがリボンをかけてくれた。

    横で見ていたおじいちゃんが息子達を見て「坊やふたりだと大変でしょう」と言うので「毎日しっちゃかめっちゃかです」と答えると「しっちゃかめっちゃかって久々に聞いたな!!!」と盛大に笑ってくれる。私こそ、息子達のことを「坊や」と呼ばれたのは大層久々で、”ぼうや”って言い方、かわいいなと愛を感じた。そしてこんなお店がある街、ここはいいところなんだろうなと。

    なんの事前連絡もせず、突然私たちが現れたことに、ぐっさんは期待通り驚いてくれた(驚かしてごめんなさい)そして、そういう驚きをぐっさんは受け入れてくれるんだろうなって思っていた。この便利がすぎる現代社会のなかで、お店という究極のオフライン環境でしか得られないものって、結局この部分な気がする。あの人に会いたい、あの場所はきっと受け入れてくれる、あの人はきっと待っててくれる、そういうこと。

    ぐっさん自作のピンボールマシンにハマりにハマる息子達(特に次男)熱中しすぎて最後部品を壊してしまうというとんでもないお客だったにも関わらず(本当に申し訳なさ過ぎ…)最後までにこやかに見送ってくれた。

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    直した部品でまた一緒に遊んでくれるぐっさん

    そして写真撮るよーって言ってるのに全然こっちを向かない息子達に「カメラあっちだよ」と指さしてくれているぐっさん

    とうふのドーナツはやさしい味がした。きっとこんなにも優しい人が作っているからだろう。

    またいきたい、今度は誰かと、ぐっさんに会いに。

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    書き手

    かきぬまあやの

    かきぬまあやの

    東京都目黒区/37歳

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