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    かきぬまめがね@東京

    かきぬまめがね@東京
    カキヌマメガネアットトーキョー

    自分の選択に誇りを持って

    雨の朝。久々に次男とバスで登園する。バスで行くとなるといつもより早めに出ることになるが、バス停から保育園までのほんの数分の道を少しゆっくり歩くのは悪くない。焦らなくていい時間だからっていうのが一番大きいだろう。自転車で行くとなるとついギリギリになってしまって「はやくはやく!」と気持ちが焦っている。次男のことも急かしてしまい、よくないなと思いながら、毎朝転がるように家を出る。

    もう少し仕事を緩めれば、毎朝こんな感じなんだろうか。とふと思う。もっとのんびり働いて、毎朝のんびり次男と歩いて行く朝、という選択肢だってある筈なんだよなと。そんな朝を想像して、少しだけ思いを馳せる。

    .

    今日は園勤務の日。基本事務所でデスクワークをしているのだが、給食だけは子どもたちと食べるようにしている(事務所で食べることもできるのだが、お昼の時間くらいは子どもと関わりたいと思っているので)

    今日横に座った子から「せんせいは、何組のせんせいなの?」と聞かれた。「事務所の先生だよ(先生ではないんだけどね)」と答える。「何やってるの?」と聞かれたので「パソコンでパチパチお仕事してるかな」と。すると更に「なんでそれを選んだの?」と。実に核心に迫る質問。「好きだから、かな」と答えると「そっか、パソコンぱちぱちするの好き?嫌い?」と再度聞かれた。「好きだよ、好きだから楽しいよ」と返事をすると、彼は満足したように、また給食に目を落として副菜のサラダを食べ始めた。

    自分で答えたあと、そうか、私は「パソコンぱちぱちする今の仕事が好きで、楽しい」って思ってるんだ。と改めて思った。

    .

    選択肢はたくさんある。全部自分で決めてること。たまにあるのんびりした朝の瞬間を有り難がれるのは、多分たまにしかないから。仕事はどう?って聞かれたら、楽しいしやりがいがあるって答えるのは、多分本心だから。選んでいない方の選択肢が青々と茂った芝生に見えることだってある。だけど今の自分の決定に、誇りを持っていいのかもしれないと思える。そんな37歳の冬がもうすぐ終わる。

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    書き手

    かきぬまあやの

    かきぬまあやの

    東京都目黒区/37歳

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