「ふつう」「正しさ」
月曜。 先月末に本部の事務所が移転となり、我が家から少し遠くなってしまった。毎朝の通勤がちょっぴり憂鬱。いろんな行き方が...
かきぬまめがね@東京
カキヌマメガネアットトーキョー
2025年9月8日
なんとなく皆既月食のことが頭にありながら眠ったら、いつもより相当早く目が覚めた。時刻は4時半前。もう終わっちゃったよなと思ったが、思い立って屋上に出てみると、まず目の前に星空がひらけた。へええ、東京でもこの時間だと星が見えるのか、と驚き。夜はほぼ見えないから、東京に星空はないものだと思っていた。星たちは私が眠っている間に、ここぞとばかりに輝きを届けていたのだね。
しかし月は見えない。もう見えないのか、と思いながら振り返ると「うふふ、こっちですよ」と言わんばかりの低めの位置で煌々と輝いているではないか。そうか、当たり前だけどこの時間に見える月はもう西側にあるのか。そして肉眼でもハッキリわかるレベルで、見事にまだ欠けている!三日月とはまた異なる影の出方で月食の不思議を改めて感じた。その影の様相で地球の大きさも感じる。ああ、天体ショーのロマンはすごい。
思わず寝室にいる夫に声をかけて、一緒に屋上に上がってもらった。夫は小さな望遠鏡を持ってきて、月の様子を眺めている。しばらく月食を見て、またふと反対側に目をやると、空の向こう側から今日がやってくるのがわかる。朝焼けのはじめのはじめが美しい。何年かに一回という皆既月食は確かに奇跡だが、こうやって朝焼けをまとって朝がやってくることも十分に奇跡だなと。朝の赤は夕焼けと違ってなんだか尊くて神聖な気持ちになる。
満足して屋上を後にする時、夫が「二人(息子たち)にも見せたかったな」と漏らした。ちょうど全く同じことを思ってた。
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