注意は続くよどこまでも
先日長男に「ママは朝と夜で性格が違う」と言われた。長男曰く「夜の方が怒ってる」だそうな。そうかな、朝も夜も怒ってるけど苦...
かきぬまめがね@東京
カキヌマメガネアットトーキョー
2025年10月2日
小学生長男の宿題には、国語の教科書音読が毎日出る。保護者は読んだものを聞いてチェックリストに○をつけるのが役目。本当はその日にやらなきゃと思うのだけれど、夜は母子ともにだらけてしまって翌日の朝にすることがある。今朝もそうだった。
宿題を確認すると今日は「音読:ちいちゃんのかげおくり」となっている。懐かしい、私が小学生の時も国語の教科書に載っていた。
長男に「戦争の話だったよね?」と確認すると「わかんない、今日から読むから」と、初めて読む様子だった。
冒頭から「出征」という単語などが出てきて、初めて出会う言葉を読みにくそうにしていた。そうだよね、日本が戦争していたなんて遥か昔の話になった。少し検索したら、実際に小学校で教員をしている方のブログがヒットして「戦争を知らない子どもたちの、子どもたち世代に向けてどうやってこの物語を取り扱ったら良いか」難しさと苦悩が書かれていた。
音読の宿題範囲は途中までだったので、教科書を借りて、最後まで読む。こんな話だったっけ。と驚き、朝からボロボロ泣いてしまった。
決してはっきりとは書かれていないちいちゃんと家族の死。ふわりとした表現だったからこの結末を覚えていなかったのだろうか。それとも小学3年生の私にとって、人の死はどこかピンとこないものだったのだろうか。
でも、これこそが文学を学ぶ意味だと感じた。全てが明確に説明されていなかったとしても、自分の経験を超えた想像が及ばないことだったとしても。そこに表現されている物事や、登場人物の気持ちに想像を巡らすという経験が、人生にとってどれほど重要か。
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