オニユリついに咲く
庭のオニユリがついに咲いた。 ちょっと感慨深い。 オニユリは葉山に来て身近になった花だ。夏になると、庭先や道端のあちこち...
風早草子
カザハヤソウシ
2024年7月16日
草の名前である。ランニングコース途中、佐島の道端に生えているのを見かけた。葉に毛が生えていてフワフワしている。ビロードのような手触りということで名付けられたのだろう。ヨーロッパなどが原産の雑草だ。
この草、近年はあちこちで見るが、私が子どもの頃はあまり馴染みがなかったらしい。が、私がいつも鳥を見に行っていた東京大井埠頭の埋立地には、やたらたくさん生えていた。
私が子どもの頃の大井埠頭というフィールドは、東京らしからぬ原野だった。埋め立てたものの、利用方が決まらず放置されているうちに窪みに水が溜まって大きな池ができてアシやガマが生い茂り、乾いた場所は大草原になった。
池には水鳥が集まり、草原には猛禽類が飛来、当時、東京でも屈指の野鳥観察スポットになり、多くのバードウォッチャーが来るようになった。
ただ色々なところから運んできた土で埋め立てたので、得体の知れない変な植物が多かったのかも知れない。
大井埠頭は私の家から自転車で10分くらいの距離のため、野鳥マニアの私は小学生の時から通い詰めていた。勝手知ったるジモガキだったわけである。
鳥見の現場では、最新情報を手に入れるためにバードウォッチャー同士で話すことが多い。情報通のジモガキだった私は大人ともよく話していた。
鳥に詳しい人は植物にも造詣が深い人が多く、そんな人が当時の大井埠頭に来て決まって驚くのが、やたら生えている見たこともない毛深い奇妙な植物だった。
「この草はいったい何?!」と結構な頻度で聞かれた。 その度に「ビロードモウズイカですよ」としたり顔で答えていたジモガキの私。
ビロードモウズイカを道端などで見かけるたびに、その頃のことを思い出す。
神奈川県葉山町/57歳