双子のがんばり
AppleがiPadのトップ画面にこの写真をあげてきたので何となく4年前、双子小5の8月の様子。家に帰ると長女から報告。...
風早草子
カザハヤソウシ
2024年8月5日
今日も猛暑のグランドでボッコボコにやられる双子息子中学野球部。今日の先発ピッチャーは1年生の子。1年生の中でただ一人、経験者なのだが、体がまだ小さくて球も速くない。ストライクは入るが、ちょうど打ちごろでガンガン打たれる。
そして守る守備陣は、昨日初めて試合に出ました、という子ばかりなので、フライが来ても落球、ゴロが来てもファンブル、捕球できても悪送球、ということで、一つのアウトを取るだけでも大変。
でも何点取られても、コールドが成立する5回までは試合が続く。打たれても打たれても、懸命にボールを追い、アウトを取ることを目指す。今日はそういう試合なのだろう。ベンチから顧問の先生が懸命に前向きな声援を送って選手たちを励ましていた。
ただその試合の背後で気になることがあった。
公式戦だと、バックネット裏にだいたい本部席が設置されて、他校の部員や先生が記録を付けたりしている。
その席に別の中学の顧問が来て、記録している部員の後ろで、ずーっと「雑談」をしているのである。
これは一つの、野球部あるある、というやつだ。
子どもの野球の試合を見に行くと、本部席で他校の指導者同士が試合と関係ないおしゃべりを延々し、時に盛り上がって大笑いしたりするのを結構見る。
試合を観戦している人には大変耳障りで不愉快だし、グランドの選手に聞こえる大きな声で雑談するのは全く褒められた観戦マナーとは思えない。
ただ野球部経験者ではない私には、試合会場というのは常にアウェイ感があり、ホーム感たっぷりの本部席でくつろぎ、雑談する野球部関係者を不快に感じつつ、これまでは特に何も言ってこなかった。
しかし、長男、次男と野球部をそれなりに見守って来た中で、これは放置していい問題ではないな、と最近は思うようになった。そこで今回は試合中に本部に行って、雑談に興じる他校顧問を(言葉遣いはあくまで丁寧にしたが)厳しく注意した。
グランドで子どもたちが真剣に必死にプレーしているのに、選手に聞こえるような場所で、野球部の指導者が笑い混じりの雑談を延々としているのは、失礼だろうと。大人としてカッコ悪くないか?
というようなことを言った。
自分たちのくつろぎの場で、保護者から注意を受けるとは全く思っていなかったのだろう。笑い混じりでずっとおしゃべりしていた他中学の40歳くらいの顧問は動揺して目が泳いでいた。それに付き合っていた年配の先生は少し恥じ入っているように見えた。
大人のマナー、常識として当たり前なので、反論の余地があるわけもなく、本部は静かになった。
その後は、耳障りな雑音に苛立つことなく、子どもたちの奮闘を見守ることができた。
もっと早く、数年前から注意しておくべきだったか?とも思うが、今後は言うべきことはしっかり言っていこうと思う。
モンペとかクレーマーとか思われるのも嫌だし、学校の部活は先生の献身で成り立っている部分が大きいのが実情なので(それが適切かどうかは別にして)、チームの采配とか指導方針とかに口は出さないようにしてきた。遠慮みたいなものだったかもしれない。
しかし最近考えを改め、間違っているのではないか、と思うことは、しっかり学校や指導者に伝えることにしている。今でも、野球部などの世界には、考えが古い指導者が一定数いるのが現実だ。そして顧問教諭と部員生徒という力関係の中で、生徒がそれを正すのは非常に難しい。だからと言って理不尽な顧問を野放しにしておいていいものではない。子どもたちのためには、正しく「大人力」を使うべきだと思う。
今日の試合は、20点以上取られたものの、延々と続く相手の攻撃にめげず、何とかアウトを積み重ねて、子どもたちは5回まで戦い抜いた。こちらも3点くらい返した。1年生の子たちの初めてのヒット、フォアボールだけど初めての出塁、初めてゴロをさばいてのアウトなど、彼らの中で記憶に残るかもしれない瞬間を目撃できた。もちろんうちの双子もしっかり声を出して頑張っていた。
そう、試合のグランドに響くのは、チームのメンバーの声だけで十分だ。雑談はいらない。応援する保護者も、いいプレーへの拍手と歓声でいいと思う。
猛暑の中、守備の時間がとても長かった試合、お疲れ様。まだこれから上手くなれるよ。がんばれ中学生!
神奈川県葉山町/57歳