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    風早草子

    風早草子
    カザハヤソウシ

    ゲストハウスが最高過ぎた件


    長男が鹿児島の大学に行き入居したアパート、大家さんがとても面倒見が良い親切な人で、折々、大学の様子などを伝える手紙をくれる。そして入居時から「ご家族や友人が来た時に無料で泊まれるゲストハウスがありますから、ぜひ使ってください!」と言われていた。空き家とか古民家みたいな物件でも持っているのかな?と思っていたのだが、これが長男のアパートのすぐ横に建っている十分立派で新しい「家」だった。

    子ども5人の我が家、そこからもらう楽しみは多いが、当然苦労も多いし、捨ててきたことも多々ある。その筆頭は家族旅行かもしれない。自分が子供の頃、二人兄弟4人家族だったが、夏休みと年末年始、法事や帰省を絡めてではあったが、新幹線や特急電車に乗り、旅館に泊まるような旅行に行くのが恒例だった。それが当たり前だと思っていた。でも自分が5人の親になった今、それはないな。(笑)。7人で新幹線乗るとか、温泉旅館に泊まるとか、予算を計算する気すら起きない。もちろん子供たちがバイト代やお年玉を貯めて友達と旅行に行ったりするのは止めないが。

    そんなわけで、今回の鹿児島旅行も、マイカー移動とこのゲストハウスを利用する前提で予算的に成立している。とはいえ、ゲストハウスが立派過ぎて、4人で何泊もさせていただき、ちょっと心苦しく感じてしまった次第。大家さんに手土産は持ってきたが、帰ってからも何か送ろう。

    「普通の家」なので、台所も冷蔵庫も炊事用具も食器も揃っている。お正月に5人で外食ばかりしたら大変なのでこれは助かる。ただ到着するのが大晦日の夜なのに、着いてから夕食をどうするのか、何も決めてなかった。車が九州に入ってから「今晩と明日の元日夜って、ご飯どうしよう?」と考え始めた。行き当たりばったりにも程があるが、31日午後、鹿児島に向かう途中に長男に指示を出して、大晦日と元日夜の夕食の買い出しに行ってもらった。大晦日はブリを半身で買ってもらって長男に下拵えしてもらって鰤しゃぶ、元日夜は牛肉買っておいてもらってすき焼き。カセットコンロは長男が持っている。

    おかげでそれなりに年末年始らしいご飯を食べながら、長男も一緒に紅白を見て大晦日を過ごせた。テレビだけでなくWi-Fiも完備で至れり尽くせり。

    食べた食器を自分たちで洗い、風呂沸かして順番に入ったらお湯を落として洗い、洗濯機回して洗濯物を干す、というのは、家で過ごすのと一緒。旅行というより合宿とか遠征みたいだが、我が家らしくてそれも楽しいとも思う。

    ちなみに学生が多い地区なのでコインランドリーも多く最寄りは1分。洗濯物が多い時は利用したが、近くてとても楽だった。このゲストハウスを我が家が使わせてもらうのは、これが最初で最後だと思うが、大家さんには大感謝。

    滞在中、ゆっくりする時間もあり、長男の大学のキャンパスでキャッチボールをした。キャンパスに案内してくれる後ろ姿は、板についた大学生だ。その長男は、中2になった双子の投げる球が力強くなったのに少し驚いていた。どちらも子どもたちはちゃんと育っている。ちなみにここは運動場ではなく、「網干し場」だとか。それにしてもどこからでも見える桜島。この日は黒っぽい噴煙を上げていた。私はこの光景もずっと忘れないと思うが、子どもたちはどうだろう。

    1月5日、鹿児島を出て葉山へ帰途に付く。滞在中、ずっと穏やかな快晴に恵まれ、本当に楽しくて快適な鹿児島滞在だった。今日の朝ランニングも桜島がくっきり。

    最高の鹿児島、またいつか!ただ長男は成人式があり、来週葉山に帰ってくるそうな。

    書き手

    海秋紗

    海秋紗

    神奈川県葉山町/57歳

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