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    風早草子

    風早草子
    カザハヤソウシ

    書き初め


    三十年商店の新年会で書き初めの機会をいただいた。今年の抱負的なこと、何を書こうか?朝から考えていた。この2年ほど仕事で取り組んできた改革とDXが一つの決着に至る見込みなので「仕上げ」にしようか?と思っていた。字も簡単だし。でも、これだとゴールがあるみたいでちょっと違和感。そのタイミング、ある条件で「最適」はあると思うけど、完璧とか究極の完成はたぶん改革にはないと思う。世の中が常に変化していくものだから。なのでシンプルに「改」とした。今年も改革は継続していく。でもこの考えに従うと、毎年「改」になってしまうかも?

    最初、この日記の冒頭に自分で書いた書の写真を貼ったのだけど、あまりの下手さに差し替えた。子どもの頃から書道は嫌いで字が下手なのは一貫して私のコンプレックス。葉書とかにきれいに文字を揃えて書くのも絶望的に苦手。たぶんその種のセンスの何かが欠落しているのだ。それで写真を差し替えてしまうあたり人間がまだ小さい。まだ克服できてない「恥ずかしさ」が残っている。成長してないな。

    仕事を始めた頃、まだ職場は手書きの時代だった。私の字で書くと、「提案書」はどんな内容でも良いものに見えない気がして嫌だった。字が下手だと中身云々以前に提案書が子どもっぽく見える。そんなわけで当時、まだ使いたい人間が自腹で購入していたワープロを真っ先に買った口だった。東芝ルポ。13万円くらいしたか。買ったものの、使ってみると、我々の仕事に使うには致命的な欠点があり、とても苦労した。当時、各社から様々なワープロが発売されていたが、作表とか罫線に関する考え方が実はかなり違っていたのだ。でも、その違いを理解していてアドバイスしてくれるような先輩も電気屋の店員もいなかった。結局ルポに悶絶して私は数年でNECの文豪系機種に乗り換えることになるのだが、その頃には通信機能とかの方が重要になっており、機種選びのロジックが大きく変わっていた。ちなみにその時点でもまだワープロは自腹だった。ひどい職場である。

    話が逸れてしまったが、三十年商店新年会。

    毎日互いの日記を読みあっているのに、会ったこともない。そんな人にリアルで対面するのは不思議な感覚だ。すでに会ってる人もいるが、それもたった一回だ。仕事も違えば、暮らす街も離れているし、家族の交流も基本的にない。でも互いに毎日どんなことして何を考えているのか、ある程度知っているし、その考えや行動に影響は受けている。ここから何が生まれるのか?何が起こるのかは分からない。壮大な実験なのだろう。答えが見えていないのは嫌いではない。

    初対面なのに会話は普通に弾んで面白かった。互いの日記を何ヶ月も読み合っている賜物だろう。佐島で買ったタコとヒラメもみなさんに食べてもらえてよかった。

    お子さん連れが多くて、子ども同士が初対面で一緒に遊んでるのが可愛かった。私も10年前なら双子を連れて行ったと思う。

    振り返ってみると、私は去年5月18日にこの日記への投稿を始めた。いま見ると、前口上も自己紹介も何もない、ある意味、乱暴なスタートだ。(笑)以来およそ9ヶ月、それなりにコンスタントに投稿している。投稿数は数えていない。他の方たちより、基本的に文が長い。この理由は自分で分かっているつもり。(単に年寄りだからクドい、というのもあるかもしれないけど。)

    仕事柄、短時間でコメントや文章を書く、という習性が染み付いている。その結果、実は普段から頭の中で考えるあれこれどうでも良いことも、テキスト化、コメント化、文章化するのが癖になっている。なので、それを手を動かしてタブレットに打ち込むのはそう時間はかからない。というか、たぶん非常に速い。あれこれ頭でテキスト化される文章が、日記に書くに値する内容なのか?というのは別の問題だけど。

    結論を言うと、たぶん私はこの脳内で日々生成されるテキストをアウトプットすることを欲しているのだと思う。頭の中で日々作られて、放っておけば霞のように消えていくものを、少し具現化して記録に残しておきたい、という欲求があるのだ。どうでもいいことでも。

    長年、私がやってきた仕事としての発信は常に尺、すなわち限られた時間で言うことを厳選しなければならず、いつも「削る」作業をしてきた。なので、取材したものの残念ながら落としたエピソード、本筋とはちょっと違うが面白い話など、脳内では結構、コメント化、テキスト化されているのだけど、日の目を見なかったボツネタが死屍累々。こうした頭の中でテキスト化されている話を少しは吐き出したい、という気持ちなのかな?吐き出す、という表現はちょっと違うかもしれないけど。

    そんな感じなので、この日記で毎日何か書くことに、大変さとか苦労は全く感じていない。私の駄文の価値に何も自信は持っていないが、私自身はこうして脳内テキストをアウトプットするプラットフォームを得ていることに価値は感じているので、誘っていただいた店主お二人には感謝しています。

    ちなみにこの日記は、テキストの文字数に特に制限がないので、私は頭の中で生成された駄文を基本「削らず」投稿しております。仕事と違って削るストレスがないのは超楽。(笑)キレのある文章書くには推敲して、しっかり削ることが大切なのは分かってるけど、それは仕事でずっとやってきたので、ここでまでそれはやりたくないかなと。ということで、今回も冗長で長文・・・(爆)

    なお、出勤する日はだいたい横浜駅で乗り換えた後の東横線内でタブレットにテキストを打っている。渋谷の手前、中目黒くらいで投稿が多い。だからこの日記のタイトルは、東横線日記とか中目黒草子が相応しいのかも?と最初の頃からちょっと思ってます。

    おまけの全くの余談ですが・・・毎回、手でタブレットにテキストを打ち込んでいるとそれなりには手間なので、頭で思ったテキストをダイレクトに出力できるインターフェイスがあったらなーと夢想する。音声入力もあるけど、声に出すのは意外と面倒だ。そもそも電車内とかでできないし。頭で考えたフレーズのうち、採用する部分だけ、サクッとテキスト保存できるようなイメージ。それがあれば、ランニング中に日記も書けるし、仕事も進みそう。脳直結アウトプットガジェットだ。東芝ルポから35年くらい経っているので、そのくらい誰か発明してほしい。でも、そうなるとますます長い駄文が乱造されるかも。

    書き手

    海秋紗

    海秋紗

    神奈川県葉山町/57歳

    ©30YEARS ARCADE