解体後あるある
療養という名の休暇はどこへやら。 退院日...
風早草子
カザハヤソウシ
2025年2月1日
職場の診療所に皮膚科の医師が来る曜日なので受診してステロイドの塗り薬を処方してもらう。
私の兄は子どもの頃から、いわゆるアトピー性の皮膚炎に悩まされていた。だが弟の私は一切なく、兄のことは気の毒に思いつつ、皮膚疾患に無縁だった。
ところが12年前、40代になって人生で初めて皮膚科を受診した。腰のあたりが少し痒いな、というくらいの症状だったのだが、これがいつまで経っても治らない。痛みはなく生活に大きな支障はないのだが、痒い。数ヶ月症状が続き、赤い部分が少しずつ広くなってきたため、町の皮膚科を受診した。
医師は患部を一瞬見ただけで「乾燥だね」と言って塗り薬を処方した。覚えていないが多分ステロイドだったのだろう。医師の指示通りに塗り薬を塗っていたら、半年近く続いていた症状は数週間で消えてしまった。
だが、またその3年後に今度は足に同様の症状が出て数ヶ月治らず、これも最終的に病院へ行き、塗り薬を処方してもらって治した。以降数年おきにそういう症状が出て、その都度、ステロイド薬を塗って治している。記録を調べると一番最近は2年前。
去年の11月頃からこれがまた体に出ている。最初は、風呂から上がると体が少し痒い、くらいだったが、背中、腰、首の後ろ、二の腕など、色々な場所がむず痒く、それが次第に赤くなってきた。過去の経験から、これはステロイドを塗らないと治らないやつと判断。2年前にもらった薬が、未開封で数本残っていたので、12月頃からそれを各部位に塗布してきた。やはりステロイドの効果は絶大で、塗って二日くらいで赤く腫れていた炎症が枯れてくる。医師からは以前、治りきるまで薬を塗らないとぶり返すので、しっかり薬を塗るように言われた。だからしっかり薬を塗っているだが、今回は背中、首、二の腕、腹と同時多発的で、塗る部分が広く、残っていた薬では間に合わないため、改めて診療所へ行き、薬を出してもらったわけだ。
数年おきに現れるこの症状、原因はストレスだと思っている。
12年前初めて出たのは、広島から東京転勤の時、家族より1年間早く東京に来て単身赴任生活していた時期だった。そしてその3年後、再び発症したのは、現場を離れてリスク部門に配属され、社内不正を捜査して社員を処分するというストレスフルな業務をしていた時期だ。そして2年前は父の死のあと。生活環境の変化やイレギュラーな事態にリンクしている。メンタル的にはあまりストレスを受けないタイプなのだけど、体がストレスを感じているシグナルだと考えている。おそらく今回の同時多発的な発症の原因は、去年秋の異常な過重業務だろう。精神的には乗り切って回復したつもりだが、きっと体がまだついてきていないのだ。そこで昨年中はあえて仕事を先走って進めないように意識して体を休めていた。この歳、そして今の立場にいると、私の体の心配をしてくれる他人はあまりいないので、自分の体のコンディションは自分自身でシビアに見ないといけない。過信や油断は禁物だ。
現在の私は総合的に見ると、たぶん過去最高のコンディションでここ数年、生きていて仕事をしている。免疫力は意味不明に高く、毎日満員電車で長時間通勤していても感染症にかからない。もう数年くらい咳とか出たことがない。頭痛、倦怠感、便秘など、よく聞く日常的な体の不調も皆無、食欲は旺盛で毎日食事もおいしい。(あ、でも歯は3本抜いて継続治療中)
でも、この絶好調が永遠に続くほど世の中甘くないので、どこかでスランプや落とし穴が待っているに違いない。そこで高転びしないように、普段から体の出すメッセージには注意を払っていきたい。
神奈川県葉山町/57歳