祝日出勤
月・祝、出勤…と朝から出ようと思ったら午...
風早草子
カザハヤソウシ
2025年4月1日
シジュウカラが巣箱に巣材を運び込み始めている。今年も鳥たちの子育ての季節が始まった。
巣箱の向こう、お隣に新しい家が建ち、去年までとちょっと風景が変わった。シジュウカラはそんなことは全く気にしていないと思う。一旦巣作りを始めると、すごい勢いだ。巣材は主にコケだが、ご近所の庭などからいただいてくるようだ。巣箱を飛び出したあと、1分もしないうちに戻ってくることもある。中をのぞくと、もうかなりの量が運び込まれている。
シジュウカラは冬の間からオスとメスのペアで行動しているが、巣材を運んで巣を作る仕事はメスしかしない。オスはメスにずっとついて回り、寄り添って行動するが、一切手伝わない。メスが巣箱に入っている間、近くの電線などで「ツーピー、ツーピー」と囀っていることが多い。そしてメスが巣箱を飛び出すと、追いかけて飛んでいく。
こういうオスの行動は、「メイトガード」と呼ばれている。メスに他のオスが近付かないように守っている、というより、見張っている感じ。小鳥というのは、一夫一妻で協力して子育てをするものが多いが、実はオスもメスもチャンスがあれば、積極的に浮気をするらしい。シジュウカラのメスは、一回の繁殖で10個以上の卵を産むこともある。メスからすると、そのうち何個かは、ペア相手以外のオスの遺伝子を持った子どもがいる方が、多様性が確保できて、長い目では、子孫の生き残りの確率が上がる、みたいな説明がされている。
オスはオスで、ペア相手以外のメスが自分の子どもを産んでくれたら、子孫をより多く残せるので、浮気を躊躇する理由もない。ただ、オスからすると、自分のペア相手には浮気をさせない方が自分の子どもが多くなるので、徹底的にガードする。
巣ができたら、メスは1日1個ずつ卵を産み足していく。そして全部産み終わってから温め始める。卵は温め始めると発育が始まるので、産んだ日に差があっても10個なら10個、それほど時間差なく孵化する。抱卵もメスだけが行うので、そうなるとオスは浮気し放題、という気もするが、抱卵中のメスに甲斐甲斐しく餌を運んでくるなど、優しかったりする。
シジュウカラの世界も色々あるらしいが、私たちが数十年掛かりで取り組む子育てというイベントを、数十日で完了させるべく奮闘する姿を見ると、毎年、愛おしさを感じずにはいられない。
巣立ったヒナがカラスに襲われたり、卵がアオダイショウに食べられたり、これまで悲劇もあったが、今年のペアは上手く子どもを育てていけるだろうか?見守っていきたい。
という、日記を帰りの電車で書く3月31日。珍しく飲み会。異動する関連団体女性スタッフの送別会。私が担当する番組のWEB記事やSNS投稿案を作るのが彼女の仕事で、送られて来る原稿を私が確認、承認すると公開される、という流れ。デリケートな内容で大幅修正を頼んだり、公開後に訂正の必要が生じて土日の緊急対応をお願いをしたこともあった。ただ、そういう関係性で2年近く仕事をしてきた間柄なのに、対面で会って話すのは今日が2回目。飲むのは初めてにして、今回で最後になるわけだ。同じテーマに取り組んできた仲間であるので、飲んだら飲んだで、話はとても盛り上がって、仕事上も有意義だったのだけど、これが最後、というのはなんだかなー、と思う。コロナ以降、歓迎会とか、忘年会とかいった習慣が激減した一方で、すっかり普及したリモート会議文化。失われたものも多く、その中には違う形であっても取り返した方がいいファクターもあると思う。
色々考えさせられる飲み会だったので、これも日記に記録しておく。ただ渋谷で22時まで飲んでしまうと、やはり葉山まで帰るのはしんどい。
神奈川県葉山町/57歳