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    風早草子

    風早草子
    カザハヤソウシ

    重い腰をあげて水槽フィルターの掃除

    体育祭中止の土曜日、予想通りの大雨と爆風。中学生は制服着て登校して普通に授業。高校生は試験前期間に入り部活はなく家で勉強。妻と長女はそれぞれの仕事や用事で出かけるので、その送迎。この大荒れの天気にも関わらず、向かいの家の解体工事は、外国人ばかりのチームが雨具を来て頑張っている。その車両が道を塞いでいるので、通常と逆方向に車を出さねばならず、雨の中、ちょっと運転に神経を使う。風はますます強くなり、重い電動アシスト自転車が倒れるほど。これほどの荒天だと、さすがの私も外に出かける気にはならない。ということで、GWにもやらなかった水槽の外部フィルターの掃除、という面倒な案件についに取り組むことにした。

    私の水槽は90センチ水槽というサイズ。900✖️45✖️45という寸法で水量は150リットル以上入っている。熱帯魚と水草を入れた水草に手を出したのは、まだ独身20代、東京にいた頃だ。最初は入門編の60センチ水草だったが、この手の趣味はやり始めると、あれこれ色々な魚や水草を水槽に入れたくなるもので、小さい60センチではすぐ飽き足りなくなる。で、割とすぐに90センチへ移行した。以来、何度もあった転勤、引越しの際も、大変面倒ではあるが、この水槽と共に転居してきた。

    若い頃のような水槽への情熱はない、というか、そういう余裕がない状況が子どもが生まれてから20年くらい続いているのだけど、一旦手放してしまうと、もう2度とこんなものは買えないと思うので、何とかキープはしている。実は熱帯魚水槽というのは、他のペットや生き物に比べて、日々の世話や管理はものすごく楽だ。水草水槽で飼っている小魚というのは、少々餌をやり忘れても痩せたり死んだりするようなことはない。勝手に水槽内の何かを食べている。水槽の照明はタイマー管理にしているので、毎日時間になると勝手に点灯して、勝手に消える。水草水槽というのは、照明を照射する時間が長いとコケや藻が増える傾向にあるのだけど、タイマーで毎日8時間に限定していると、放っておいても簡単には見苦しいことにはならない。

    あとは水質の最低限の維持だけなのだけど、それを担うのが外部フィルターというもの。業界のど定番、ドイツのエーハイムというブランドの製品だ。これがものすごく優秀で信頼性が高いため、それに甘えて、私の水槽管理は年々ズボラ度を高めてきた。

    熱帯魚水槽というのは、魚の排泄物などから有毒なアンモニアが生成されてくる。外部フィルターというのは、本体の中に多孔質のセラミックの石みたいなのが入っている。そこにアンモニアみたいな有毒物を分解させるバクテリアを住まわせ、そこにモーターで水を循環させて浄化する仕組みだ。アンモニアはまず亜硝酸という物質にバクテリアが分解する。この亜硝酸というのも魚には有毒なのだけど、この亜硝酸を無害な硝酸塩というものに分解するバクテリアもいて、水質が安全に保たれる。硝酸塩は水草に肥料として消費されるらしいが、さすがに放っておくと無害とはいえ、濃度が高くなるので、水換え、という作業で薄める必要がある。この作業はさすがに数ヶ月おきにはしている。ホースでサイフォンの原理で水を三分の一くらい抜く。そしてその分、新しい水を入れる。その際、ガラス面についた藻類をメラミンにスポンジで掃除する。水を抜くホースは外の排水溝に直結できるように作ったものがあり、給水も水槽までホースで直接繋げる仕組みを作ってあるので、基本蛇口をひねればいいだけ。というわけで、ズボラの極みの数ヶ月に一度、年に4回くらいの水換えだけで、水槽を維持しているのだけど、わかっていながら目を逸らしているのが、エーハイムフィルターの掃除。日々フィルターを運転していると中には徐々に汚泥が溜まってくる。これが増えすぎると、ろ材が目詰まりして濾過能力が落ちて水質が悪化すると言われていて、本当は数ヶ月ごとに掃除した方がいいと言われている。しかし、フィルターのホースを外してろ材を洗うという作業は、水換えより数倍面倒くさい。そしてエーハイムフィルター、とても優秀で相当汚泥がたまろうと、止まることなく水を循環させてくれるので、相当放っておいても何とかなってしまうのである。ということで、やらなければ、と思いつつ、GWも先送りにしてしまったわけだ。

    だけど、何もできない嵐の土曜日、家には勉強してる次男しかいないし、やるなら今しかない!ということで、ついにエーハイムフィルターを外して中を開けた次第。予想通り中は凄まじい汚泥の溜まりっぷりで、よくこれで動いていたなあ、という感じ。エーハイムフィルターさんごめんなさい、だ。バクテリアが住み着いているセラミックのろ材は、水道水で洗うとバクテリアが死んでしまうので、水槽の水ですすがなければならない。一応そういう作業を丁寧に行って1時間半ほどで完了。記録を調べると、前回フィルターの掃除をしたのは3年前のようだ。(笑)

    ちなみに、水槽の底の砂利というか土というか、いわゆる底床というものは、おそらく20年以上、掃除も何もしていない。(笑)これはどうなんだろう?と思いつつ、ずっと経過観察中。実は昔は金魚鉢の砂利というと大磯砂というのがポピュラーで、ゴミが溜まると砂利も洗うみたいな感じだったのだけど、現代の水草水槽の底床はソイル系という土を丸く固めたものが主流。大磯など海辺の砂利は貝殻が混じっており、水の硬度が上がりCO2が溶けにくくなり、水草が育ちにくいのである。ただこのソイル、ジャブジャブ洗うことができるものでもないし、ということで、これは本当にずっと放置してある。ただ幸い土の中にクリプトコリネという水草がしっかり根を張っていて、勝手に新しい芽を吹いて生えてくるので、まあいいかと静観中。

    嵐の土曜日、本当にひどい天気だったけど、3年ぶりの懸案を片付けられたという意味では有意義だったかも。

     

    書き手

    海秋紗

    海秋紗

    神奈川県葉山町/57歳

    ©30YEARS ARCADE